TOEIC Writingのメール作成問題|指示4パターンの型と練習問題・点数別解答例
TOEIC Speaking & Writing Tests(TOEIC S&W)の Writing で、Eメール作成問題は Questions 6–7 の2問です。1問につき10分、採点は 0〜4点(ETS Examinee Handbook/IIBC公式「テストの形式と構成」)。画面に出た受信メールを読み、指示された要素を含む返信を書きます。
この設問には、他の設問より要求がはっきりしている点が1つあります。指示文に「何をいくつ書くか」が数で書かれていることです。ask ONE question and make TWO suggestions(質問を1つ、提案を2つ)のように、要求される項目の種類と個数が明示されます。
ここから、この設問の点の取り方が決まります。4点と3点を分けるのは文法ではなく、指示された項目を全部やったかどうかです。採点基準の4点の条件には「孤立した文法の誤りはあってよい」と明記されている一方、3点の条件は「1つのタスクを落とすか不十分」です。つまり、1つ落とした時点で、英語がどれだけ正確でも4点にはなりません。
弊社がTOEIC S&W対策|完全模試19問を制作した際、公式の指示文を9本確認したところ、要求項目は合計3つが基本で、その組み合わせは4通りでした。うち2通りは 完全模試19問で1問ずつ練習問題を用意しています。本記事は、残りの2通り(質問1+提案2/問題2+提案1)の練習問題を新しく作り、4点・3点・2点の解答例を並べて、どこで1点落ちるのかを示します。
以下の英文のうち、受信メールと解答例はこの記事用に書き下ろしたオリジナルです(TOEIC公式のサンプル問題そのものはETSに著作権があり、複製できません)。受信メールと解答例は書き下ろしで、指示文は ETS が公開している定型の指示文に倣っています。社名・人名・メールアドレスは架空です。
結論 ― メール問題は「数えれば」落とさない
先に結論を示します。Eメール作成問題で4点を取るために必要なことは3つです。
- 指示文に書かれた項目の数を、英語を書く前に頭の中で数字にして確認する。「質問1・提案2」のように数字で確認してから書き始めます。読んだつもりで書き始めると、書いているうちに個数がずれます。
- 質問・依頼・提案・情報・問題の説明は、それぞれ別の機能だと理解する。形が疑問文でも、機能が依頼なら質問には数えません。
Could you make the talk shorter?は疑問文の形をした提案(あるいは依頼)で、質問ではありません。ここを取り違えると、質問が0個になります。 - 書き終えたら指を折って数える。残り1分半の最初の30秒は、文法ではなく項目の個数の確認に使います。ここで3点が4点になります。
以下、この3つを順に分解し、練習問題2問で確かめます。

出題の全体像 ― 2問・各10分・0〜4点
Writing Test は8問・約60分で、Eメール作成問題はその Questions 6–7 にあたります(ETS Examinee Handbook/IIBC公式「テストの形式と構成」)。
| 問題数 | 2問(Q6・Q7) |
| 時間 | 各10分(読む時間と書く時間を含む) |
| 採点 | 0〜4点 |
| 評価の観点 | 文の質と多様性・語彙・構成 |
| 形式 | 画面の受信メールを読み、指示された要素を含む返信をキーボードで入力する |
時間の扱いに注意が要ります。Q6の10分が終わってQ7に進むと、Q6には戻れません。Q1〜Q5が「5問合わせて8分・行き来自由」なのとは違い、Q6・Q7は1問ずつ独立した10分です。したがって、Q6で書き残した項目をQ7の時間で足すことはできません。1問の中で書き切り、1問の中で数え終える必要があります。
Speaking 11問・Writing 8問を本番と同じ時間配分で通しで解きたい方は、TOEIC S&W対策|完全模試19問・正解音声・解説付きに模試を用意しています。本記事は、その中の Q6–7 だけを取り出して練習を足すものです。
指示文の4パターン ― 何をいくつ書くかは指示に書いてある
まず理解したいのは、指示文が要求する項目の型は、それほど多くないということです。
完全模試19問の制作時に公式の指示文を9本確認したところ、要求項目は合計3つが基本で、組み合わせは4通りでした。これは弊社が指示文を数えた結果の区分であり、公式が「4パターン」と定めているわけではありません。ただ、練習の単位としてはこの4つで足ります。
| 指示の型 | 英文の例 | 練習の場所 |
|---|---|---|
| 情報(または質問)を3つ | give THREE pieces of information |
完全模試19問 Q6(#k-w6) |
| 質問2+依頼1 | ask TWO questions … and make ONE request |
完全模試19問 Q7(#k-w7) |
| 質問1+提案2 | ask ONE question and make TWO suggestions |
本記事 練習1 |
| 問題2+提案1 | describe TWO problems … and make ONE suggestion |
本記事 練習2 |
前半2つは、完全模試19問で1問ずつ解いています。情報3つ型は「情報に数えられるもの・数えられないもの」を、質問2+依頼1型は「質問と依頼の判別」を、それぞれ満点解答と点数別の実例つきで扱っています。本記事ではその2つを繰り返しません。上の表のリンクから解いてください。
後半2つは、検索上位10件には公式サンプルを除いて練習問題が無い型です。本記事の中身はこの2問です。
なぜ4つの型を全部やる必要があるのか。理由はシンプルです。型ごとに「数えられるもの」の判別基準が違うからです。情報3つ型で判別が要るのは「情報と指示の違い」、質問2+依頼1型では「質問と依頼の違い」です。そして本記事の2問では、「提案と感想・願望の違い」と「問題の説明と不満の違い」が問われます。どれか1つの型しか練習していないと、本番で別の型が出たときに、何を数えればいいかが分かりません。

採点基準 ― 4点と3点の差は文法ではない
Eメール作成問題の採点基準(0〜4点)は、ETS Score User Guide に記述されています。要旨は次のとおりです。
4点:プロンプトのすべてのタスクに有効に対応。複数文で明確に伝達。論理構成または接続語で結束。トーンとレジスターが読み手に適切。孤立した誤りはあってよい 3点:おおむね成功だが、1つのタスクを落とすか不十分。意味を損なう誤りが1文にある可能性 2点:1つしか対応できていない、または2〜3のタスクに不十分。読み手意識が乏しい 1点:どのタスクにも対応していない。頻繁な誤りが意味を妨げる
ここで重要なのは2点です。
第一に、4点の条件に「A few isolated errors in grammar or usage may be present(孤立した文法の誤りはあってよい)」と明記されていること。文法を完璧にしてから項目をそろえるのではなく、項目をそろえることが先です。
第二に、3点と2点の記述が「個数」で書かれていること。3点は「1つのタスクを落とす」、2点は「1つしか対応できていない」です。つまり、項目が2つなら上限は3点、1つなら上限は2点。個数が天井を決めます。
このため、本記事の点数別解答例では、すべての判定をこの4段階のどの記述に当たるかで書きます。「印象として3点くらい」という説明はしません。
練習1 ― 質問を1つ、提案を2つ(10分)
書き手は書店の会員(個人)、読み手は書店のイベント担当者です。完全模試19問の Q6(店員→顧客)・Q7(社員→人事部)とは立場が違い、自分が客の側から社外へ書くレジスターになります。
① 解いてみる
⏱ タイマーを10分にセットしてください。メールを読む時間も10分に含まれます。
Respond to the e-mail. In your e-mail, ask ONE question and make TWO suggestions.
日本語訳
差出人:r.okafor@brightlane-books.com / 宛先:会員各位 / 件名:春の朗読会のご意見募集 / 送信:2月12日 午後4時20分 会員の皆様へ/ブライトレーン・ブックスは4月に初めての朗読会を開催します。会員の皆様が本当に望む内容にしたいと考えています。2階の部屋を一晩押さえており、地元の作家を1名お招きできます。当日の進め方についてご意見があれば、今月末までに私宛にご連絡ください。/リタ・オカフォー/イベント担当 指示:このメールに返信してください。メールの中で、質問を1つし、提案を2つしてください。
② 満点解答(4点・約148語)
書き終えてから開いてください。
満点解答を開く
満点解答(4点)
Dear Ms. Okafor,
Thank you for asking the members about the reading night. I would be glad to come in April.
First, I have one question. Will the evening be open to people who are not members yet? Three friends in my book club have asked me about Brightlane, and I would like to bring them if that is possible.
I would also like to suggest two things. My first suggestion is to keep the author’s talk to about thirty minutes and leave the rest of the hour for questions. At a similar event last year the talk ran for a full hour, and almost no one had a chance to speak.
My second suggestion is to sell the author’s books in the same room that evening. Members who enjoy a talk usually want the book straight away.
Thank you again for the invitation.
Best regards, Kenji Morita
日本語訳
オカフォー様
朗読会について会員に意見を求めていただきありがとうございます。4月はぜひ参加したいと思います。
まず、1点質問があります。この会は、まだ会員でない人も参加できますか。私の読書会の友人3人がブライトレーンについて尋ねてきているので、可能であれば連れて行きたいと考えています。
あわせて2点提案があります。1つ目の提案は、作家の話を30分ほどにとどめ、残りの時間を質問にあてることです。昨年の同種のイベントでは話が1時間続き、参加者はほとんど発言できませんでした。
2つ目の提案は、その晩、同じ部屋で作家の本を販売することです。話を楽しんだ会員は、たいていその場ですぐ本を買いたくなるものです。
あらためて、お誘いありがとうございます。
森田健二
約148語
③ 構成の分解
| 段 | していること |
|---|---|
| 1 | 宛名 |
| 2 | 受け(意見募集への礼)+参加の意思 |
| 3 | 予告(I have one question.)+質問①(非会員も参加可か)+理由(友人3人が聞いてきている) |
| 4 | 予告(two things)+提案①(話を30分に)+理由(昨年は1時間で発言できなかった) |
| 5 | 提案②(同じ部屋で本を販売)+理由(その場で買いたくなる) |
| 6 | 締め+署名 |
④ なぜ4点なのか
- 3項目が段落で分かれている。採点者が数えられる(質問1・提案2)
- 提案が具体的な行動案になっている。「30分にする」「同じ部屋で売る」は、相手がそのまま採否を決められる
- 3項目すべてに理由が添えてある。これが採点基準の「読み手意識」の中身です
FirstalsoMy first suggestionMy second suggestionで結束している- 会員から店への文体(丁寧だが硬すぎない)で、レジスターが合っている
⑤ 「提案」に数えられるもの・数えられないもの
この問の判別ポイントはここです。提案=相手が採否を決められる、具体的な行動案。
- ✗
I like reading events very much.(朗読会が好きです)→ 感想。行動案が無い - ✗
It would be nice if the event were better.(もっと良くなるといいですね)→ 願望。何をするのか言っていない - ✗
Could you make the talk shorter?→ 形は疑問文だが、機能は提案(あるいは依頼)。質問には数えられない - ○
My first suggestion is to keep the talk to about thirty minutes.→ 提案 - ○
You could also sell the books in the same room.→ 提案
⚠ Could you ~? を「質問」に数えると、質問が0個になります。この問は質問が1つだけなので、そこを提案に取られると即座に1つ落とします。
整理すると、質問=相手から情報を得るもの/提案=相手に行動の選択肢を差し出すもの/依頼=自分のために相手に行動してもらうものです。書き終えたら、3つの項目をこの3分類のどれかに割り当てられるかで確認してください。
質問と依頼の見分けは 完全模試19問の Q7 で詳しく扱っています。→ 質問と依頼の判別(完全模試19問 Q7)
⑥ 点数別の実例
3点相当
Dear Ms. Okafor,
Thank you for your e-mail about the reading night. I have one question. Will the event start at seven or later? I finish work at six thirty, so an early start would be difficult for me.
I also think the author’s talk should be about thirty minutes, so that we have time to ask questions.
I enjoy reading events very much and I am looking forward to it.
Best regards, Kenji Morita
日本語訳:オカフォー様、朗読会についてのメールをありがとうございます。1点質問があります。会は7時開始でしょうか、それとももっと遅いでしょうか。私は6時半に仕事が終わるので、早い開始は難しいです。/また、作家の話は30分ほどがよいと思います。そうすれば質問の時間が取れます。/朗読会はとても好きなので楽しみにしています。/森田健二
なぜ3点か:質問は1つ(開始時刻)、提案も1つ(話を30分に)あり、理由も添えられています。しかし2つ目の提案が無い。最後の I enjoy reading events very much は感想であって提案ではありません。タスクを1つ落としているので、採点基準の3点「1つのタスクを落とす」に当たります。英語そのものは4点の答案と大きく変わりません。落としたのは英語力ではなく個数です。
2点相当
Hello,
Thank you for e-mail. What time does it start? Please make the talk short. I like books.
Kenji
日本語訳:こんにちは。メールありがとうございます。何時に始まりますか。話を短くしてください。本が好きです。
なぜ2点か:有効に対応できているのは質問1つだけです。Please make the talk short. は行動案の形はあるものの、命令調で理由も具体もなく、提案として不十分です。I like books. は感想です。宛名・締めも崩れており、読み手意識が乏しい。採点基準の2点「2〜3のタスクに不十分」に当たります。
⑦ 10分の使い方
⑧ 型とフレーズ
- 提案を切り出す:
My first suggestion is to ~/My second suggestion is to ~ - やわらかく提案する:
You could also ~/One option would be to ~/I would recommend ~ing - 理由を足す:
At a similar event last year, ~/Members who ~ usually ~
練習2 ― 問題を2つ説明し、提案を1つ(10分)
書き手はシステムを使っている店の担当者、読み手は取引先のサポート窓口です。不具合を取引先に伝えるレジスターで、不満をぶつけるのではなく、事実と影響を並べて書くことが求められます。
① 解いてみる
⏱ タイマーを10分にセットしてください。
Respond to the e-mail. In your e-mail, describe TWO problems with the system and make ONE suggestion.
日本語訳
差出人:d.reyes@meridian-systems.com / 宛先:k.tanaka@harborline-foods.com / 件名:新しい在庫システム導入1か月 / 送信:10月3日 午前11時5分 田中様/貴店にメリディアン在庫システムをご利用いただき1か月が経ちました。次回のアップデートを準備する前に、管理職の方ではなく、毎日実際に使っている方のご意見を伺いたいと考えています。うまくいっていない点を率直にお知らせください。/ダニエル・レイエス/カスタマーサポート 指示:このメールに返信してください。メールの中で、システムの問題を2つ説明し、提案を1つしてください。
② 満点解答(4点・約152語)
書き終えてから開いてください。
満点解答を開く
満点解答(4点)
Dear Mr. Reyes,
Thank you for asking us directly about the stock system.
The first problem is the speed of the search. When we look up an item by its product code, the results take about twenty seconds to appear. We run that search more than fifty times a day at the counter, so customers are kept waiting.
The second problem is the delivery report. It shows totals for the whole week only, so we cannot tell which day a shortage happened. Last month we had to go back to the paper slips to find a missing case of tomatoes.
My suggestion is to add a daily view to the delivery report in the next update. If we could choose one date and see the items received on that day, we would be able to stop keeping the paper slips altogether.
Thank you for your help.
Best regards, Keiko Tanaka Harborline Foods
日本語訳
レイエス様
在庫システムについて、私たちに直接ご意見を求めていただきありがとうございます。
1つ目の問題は検索の速度です。商品コードで商品を検索すると、結果が表示されるまでに20秒ほどかかります。レジで1日に50回以上この検索を使うため、お客様をお待たせしてしまっています。
2つ目の問題は納品レポートです。1週間の合計しか表示されないため、どの日に欠品が起きたのかが分かりません。先月は、届かなかったトマト1ケースを探すために紙の伝票を見直すことになりました。
提案として、次回のアップデートで納品レポートに日別表示を追加していただきたいと考えています。日付を1つ選んでその日に入荷した商品を見られるようになれば、紙の伝票を残しておく必要がなくなります。
よろしくお願いいたします。
田中恵子/ハーバーライン・フーズ
約152語
③ 構成の分解
| 段 | していること |
|---|---|
| 1 | 宛名 |
| 2 | 受け(意見を求められたことへの礼) |
| 3 | 問題①:検索が遅い。何が(商品コード検索)・どのくらい(20秒)・どう困るか(1日50回・客を待たせる) |
| 4 | 問題②:納品レポートが週合計のみ。どう困るか(欠品日が特定できない)+実例(トマト1ケース) |
| 5 | 提案(納品レポートに日別表示を追加)+効果(紙の伝票が不要になる) |
| 6 | 締め+署名 |
④ なぜ4点なのか
- 問題が事実で書かれている。20秒・1日50回以上・先月の実例と、確認できる形になっている
- 2つの問題が段落で分かれている。採点者が数えられる
- 提案が2つ目の問題の解決策になっている。問題と提案がつながっている
- 取引先への文体として適切(不満をぶつけず、事実と影響を並べている)
The first problem is ~The second problem is ~My suggestion is to ~で結束している
⑤ 「問題の説明」に数えられるもの・数えられないもの
この問の判別ポイントはここです。問題の説明=「何が」「どういう条件で」「どう困るか」の3つが言えているもの。
- ✗
It is not useful.(使いにくいです)→ 不満。何がどう困るのか分からない - ✗
I don't like the new system.(新しいシステムは好きではありません)→ 感想 - ✗
There are some problems.(いくつか問題があります)→ 予告。中身が無いので数えられない - ○
When we look up an item by its product code, the results take about twenty seconds to appear.→ 問題
そして、提案は依頼と違います。
- ✗
Please fix these problems.(直してください)→ 依頼。どう直すのかを言っていない - ✗
The system should be better.(もっと良くあるべきです)→ 評価。行動案が無い - ○
My suggestion is to add a daily view to the delivery report.→ 提案
提案は「こうしてはどうか」という解決案です。問題を2つ書いたら、そのどちらか(または両方)に効く1つの案を出します。問題と無関係な提案は、採点者から見て浮きます。
情報を3つ書く型(give THREE pieces of information)でも、同じ「数えられるか」の判別が要ります。→ 情報に数えられないもの(完全模試19問 Q6)
⑥ 点数別の実例
3点相当
Dear Mr. Reyes,
Thank you for your e-mail. There are two problems. When we search for an item by its product code, the results take about twenty seconds to appear, so customers wait at the counter. The delivery report also shows only weekly totals, so we cannot see which day a shortage happened.
Please fix these problems in the next update.
Best regards, Keiko Tanaka
日本語訳:レイエス様、メールありがとうございます。問題が2つあります。商品コードで商品を検索すると結果が出るまで20秒ほどかかり、レジでお客様をお待たせしています。納品レポートも週の合計しか表示されないため、どの日に欠品が起きたのか分かりません。/次回のアップデートで直してください。/田中恵子
なぜ3点か:問題2つは有効に説明できています(数値も影響もある)。落としているのは提案です。Please fix these problems in the next update. は依頼であって、どう直すのかという解決案がありません。タスクを1つ落としているので3点。英語の質は4点の答案と大差ありません。差は「提案の形で書いたかどうか」だけです。
2点相当
Hello. The system is very slow and it is not useful. Please fix it soon. Thank you.
日本語訳:こんにちは。システムがとても遅く、使いにくいです。早く直してください。よろしくお願いします。
なぜ2点か:「遅い」は問題の指摘としてはあるものの、条件も影響も無く不十分です。it is not useful は不満であって、何がどう困るのかを説明していません。提案は無い。宛名も署名も無く、取引先へのメールとして読み手意識が乏しい。採点基準の2点「1つしか対応できていない、または不十分」に当たります。
⑦ 10分の使い方
練習1より日本語で決める時間を30秒長く取っています。問題の説明は「数字か具体例」が無いと不満に落ちるため、ここで具体を1つずつ確保してから英語に入るほうが、結果として速く書けます。
⑧ 型とフレーズ
- 問題を切り出す:
The first problem is ~/The second problem is ~ - 不具合を述べる:
~ does not work properly when ~/The results take about ~ to appear/Since the update, ~ has been ~ - 影響を述べる:
As a result, we have to ~/so customers are kept waiting/This means that ~ - 提案する:
My suggestion is to ~/It would help if you could ~/One solution would be to ~
タスク種別ごとの表現 ― 提案・問題説明・情報提供
2問で使った表現を、タスクの種別ごとに整理します。表現を覚えること自体が目的ではなく、「この形で書けば、その項目として数えられる」形を持っておくためのものです。
| タスク | 使う表現 | 注意 |
|---|---|---|
| 提案する | My suggestion is to ~ / My first suggestion is to ~ / One option would be to ~ / You could also ~ / I would recommend ~ing / It would help if you could ~ |
具体的な行動を書く。It would be nice if ~ は願望で、提案に数えられない |
| 問題を説明する | The first problem is ~ / We are having trouble with ~ / ~ does not work properly when ~ / It takes about ~ to ~ / Since the update, ~ has been ~ / As a result, we have to ~ |
「何が・どういう条件で・どう困るか」の3つ。It is not useful. は不満であって説明ではない |
情報を伝える型の判別と表現は、完全模試19問の Q6 で扱っています。→ 情報に数えられないもの(完全模試19問 Q6)
理由を添える(4点と3点を分ける共通要素):because ~ / since ~ / so ~ / Our team ~, so ~
質問と依頼の表現は、完全模試19問の Q7 が判別の基準とあわせて持っています。ここでは繰り返しません。→ 質問と依頼の表現(完全模試19問 Q7)
見直しの30秒 ― 提出前に数える
10分の最後の1分半は読み返しに使いますが、そのうち最初の30秒は文法ではなく個数に使ってください。確認する順番は次のとおりです。
- 指示文の数字を、もう一度声に出さずに読み直したか。「質問1・提案2」「問題2・提案1」。書いているうちに、頭の中の数字は書き換わります
- 各項目を機能で分類できるか。情報を求める(質問)/行動を求める(依頼)/案を出す(提案)/事実を述べる(情報・問題の説明)。疑問文の形をした提案を質問に数えていないか
- それぞれに理由が1つ添えてあるか。理由が無い項目は、機能していても弱い
- 宛名・受け・締め・署名があるか。2点の答案に共通するのは、ここが崩れていることです
- 相手が社外か社内か、自分が客側か提供側かでトーンを変えたか。採点基準の「トーンとレジスターが読み手に適切」に当たります
ここまで確認して残った時間で、はじめて文法を見ます。順番を逆にすると、文法を直しているうちに時間が切れ、項目の欠落に気づかないまま提出することになります。

まとめ
この記事で扱った内容を整理します。
- Eメール作成問題は2問・各10分・0〜4点。Q6からQ7に進むと戻れない
- 4点と3点の差は、指示された項目を全部やったかどうか。4点の条件には「孤立した文法の誤りはあってよい」と明記されている
- 指示の型は、弊社が公式の指示文9本を確認した限りで4通り。情報3つ/質問2+依頼1(完全模試19問)/質問1+提案2/問題2+提案1(本記事)
- 提案に数えられるのは、相手が採否を決められる具体的な行動案。感想・願望は数えられず、
Could you ~?は質問に数えられない - 問題の説明に数えられるのは、「何が・どういう条件で・どう困るか」が言えているもの。不満・感想・予告は数えられず、
Please fix it.は提案ではなく依頼 - 点数別の解答例が示すのは、英語の質に大差が無くても、個数で1点下がるということ。
Eメール作成問題は、英語力を測る前に、指示を読んで数える力を測っています。書き出す前に数え、書き終えてから数える。この2回の確認が、4点を安定させます。
次に何をするか
本記事の2問を解き終えたら、完全模試19問の Q6・Q7 で残りの2パターンを解いてください。これで指示の4つの型がすべて手元にそろいます。→ 完全模試19問 Q6(情報3つ)/完全模試19問 Q7(質問2+依頼1)
そのうえで、Writing 8問を Q1 から Q8 まで本番と同じ時間で通してください。Q6–7 は各10分で独立していますが、Q1–5 の8分と Q8 の30分に挟まれた位置で書く感覚は、単独で解くときと違います。TOEIC S&W対策|完全模試19問・正解音声・解説付きに、Speaking 11問を含む通しの模試があります。
Writing の目標点をどこに置くかを先に決めたい方は、TOEIC S&Wのスコア目安|平均点と分布から目標を決めるで、IIBC公式の分布から目標を1つに絞る手順を示しています。Speaking を単独で受けるかどうかを含めて受験の前提から確認したい方は、TOEIC Speakingとは|11問20分の内容・採点・受験料をご覧ください。
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参考情報・出典
- テスト構成・問題数・時間(Eメール作成問題2問・各10分):ETS TOEIC® Speaking and Writing Tests Examinee Handbook
- 各問の評価項目・採点ルーブリック(Eメール作成問題 0〜4点の記述):ETS TOEIC® Speaking and Writing Tests Score User Guide
- テストの形式と構成(IIBC公式・設問別の評価基準と採点スケール) https://www.iibc-global.org/toeic/test/sw/about/format.html
- 指示文の型(情報3つ/質問2+依頼1/質問1+提案2/問題2+提案1):The PAST が 完全模試19問の制作時に公式の指示文9本を確認して整理した区分。公式が定めた分類ではありません
- 本記事の練習問題2問(受信メールと解答例)は The PAST が公式仕様に基づいて作成したオリジナルです。指示文は ETS が公開している定型の指示文に倣っています。実際の出題ではなく、社名・人名・メールアドレスはすべて架空です
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