英語の電話会議フレーズ|聞き返し・確認・進行の必須表現
対面の英語会議ならなんとか追える。資料が画面に映っていれば、なんとか文脈も掴める。それなのに、音声だけの電話会議になると急に聞き取れなくなる。聞き返すタイミングを逃して沈黙し、分からないまま “Yes.” と返してしまい、会議が終わってから「あの期日、本当に金曜だったか」と冷や汗をかく。
この記事は、その状態を解消するための記事です。英語の電話会議で必要なフレーズを、聞き返し・確認・進行の3つの機能に整理し、すべて日本語訳つきで提示します。単なるフレーズ一覧ではありません。「どの状況でどのフレーズを出すか」という使い分けの基準と、覚えたフレーズを本番でとっさに出せる状態にする練習法、そして記事の途中で実際に口を動かす5〜10分のトレーニングまでを扱います。
先に視点を一つ渡しておきます。電話会議で聞き取れないのは、あなたの英語力だけの問題ではありません。音声のみの会議は、対面よりも入力の条件そのものが悪いのです。この構造が分かると、聞き返しと確認は「英語力不足の告白」ではなく「劣化した入力への標準的な補正」だと理解でき、フレーズを使う心理的なハードルが下がります。
結論 ― 電話会議は「聞き返し・確認・進行」の3機能で乗り切る
最初に結論を述べます。英語の電話会議対策は、次の3点で決まります。
- 電話会議は、リスニングの土台に最悪の条件がそろう場面だと理解する。 相手の顔が見えず、回線を通った音は劣化している。だから聞き返し・確認は恥ではなく、音声会議の標準運用です。
- フレーズは時系列の網羅ではなく、3つの機能で揃える。 聞き返し(欠けた入力を取り直す)・確認(聞き取れた内容を固定する)・進行(音声だけの会議の交通整理をする)。この3機能で、電話会議で起きる問題のほとんどをカバーできます。
- フレーズは「知っている」ではなく「とっさに出る」まで自動化して初めて機能する。 聞き取りに頭を使い切っている瞬間に出てくるのは、口が覚えたフレーズだけです。
この記事の順序は、まず構造(なぜ聞き取れないか)、次にフレーズ(3機能と使い分け)、最後に自動化(練習法とトレーニング)です。構造を先に理解すると、各フレーズが「どの問題への対処なのか」が明確になります。

なぜ電話会議は対面より聞き取れないのか
「対面なら聞けるのに、電話会議だと崩れる」。この現象を、根性や慣れではなく、入力条件で説明します。理由は3つあります。
対面の聞き取りは「目」に助けられている
まず理解したいのは、対面の聞き取りが音声だけで成立していない、という事実です。私たちは英語を聞くとき、相手の口の動き・表情・ジェスチャーから無自覚に情報を補っています。古典的な研究でも、雑音のある環境では話者の顔や口の動きが見えると音声の了解度が上がることが示されています(Sumby & Pollack 1954)。
電話会議では、この視覚の補助がゼロになります。対面で使えていた補助輪が外れるのだから、同じ英語力でも聞き取れる量が減るのは当然の帰結です。
回線の音は、高い周波数の音を削っている
次に、音そのものの問題です。従来の電話回線や、回線状態の悪い音声会議の音声は、およそ300〜3400Hzの帯域に制限されます。人の声のうち、高い周波数帯の情報が削られるということです。
これが何を引き起こすか。英語の子音には、高い周波数帯に聞き分けの手がかりを持つものがあります。たとえば /s/ と /f/ の区別は、この削られた帯域に手がかりの多くがあるため、電話越しでは難しくなります。”sixteen” と “fifteen”、”S” と “F” の聞き間違いが電話で頻発するのは、耳の性能の問題である前に、入力信号がすでに劣化しているからです。
リスニング3ステップで見ると、負荷は最下層に集中する
この2つの条件を、リスニングの能力構造に重ねます。The PAST では、リスニングを次の3つの層で捉えます。
- 音声知覚 … 英語の音を正確に捉える
- 意味理解 … 捉えた音を「何を言っているか」に変換する
- 情報保持 … 理解した内容を、必要なときまで覚えておく
この3層は積み重なっていて、下の層の処理に頭を使うほど、上の層に回す余力が減ります。電話会議は、視覚補助ゼロ×帯域制限×環境ノイズという条件で、最下層の音声知覚の入力条件が最悪になる場面です。音が取れないと、脳は「今のは何と言ったのか」の推測に処理能力を奪われます。その分、内容の理解や記憶に回す余力が減り、会議についていけなくなる。これが電話会議で崩れる構造です。
したがって、電話会議での聞き返しと確認は、劣化した入力を補正するための合理的な運用です。ネイティブ同士でも電話では聞き返します。堂々と使ってください。なお、そもそも英語会議についていけない原因を切り分けたい方は、原因を4つに分解した記事(英語会議についていけない原因は4つある)が診断に使えます。

聞き返しの英語フレーズ|「もう一度」は3段階で使い分ける
ここからフレーズ本体です。まず聞き返し。重要なのは、聞き返しには機能の違う3段階がある、ということです。何をどれだけ聞き逃したかで、出すフレーズを変えます。
① 全部聞き返す ― 発言を丸ごと取り直す
発言全体が取れなかったときは、素直に全体の再送を求めます。
- Sorry, could you say that again?(すみません、もう一度言っていただけますか?)
- I’m sorry, I didn’t catch that.(すみません、聞き取れませんでした。)
- Could you repeat that, please?(もう一度お願いできますか?)
didn’t catch は「(音として)捉えられなかった」という意味で、理解力ではなく音の問題だったというニュアンスを含みます。電話会議では最も使い勝手のよい動詞です。
② 部分だけ聞き返す ― 落とした要素を疑問詞で絞る
発言の大半は取れたが、一部だけ落とした。このときに全部を聞き返させるのは、相手の時間を余計に使います。落とした要素だけを、疑問詞で絞って取りにいきます。
- I couldn’t catch the last part.(最後の部分が聞き取れませんでした。)
- Sorry, who is taking care of that?(すみません、それは誰が担当するのですか?)
- Sorry, when is the deadline again?(すみません、締め切りはいつでしたか?)
文末の again は「さっき言ってもらったのにもう一度すみません」というニュアンスを添える定番の型です。
ここで実務上の基準を一つ。同じ Could you say that again? を3回繰り返してはいけません。 2回聞いても取れないなら、原因は音の欠落ではなく、速度か語彙にあります。3回目は次の③に切り替えるか、要素を絞った②に落としてください。同じフレーズの反復は会話を止め、相手も何を直せばいいのか分かりません。
③ 条件を変えて聞き返す ― 速度・音量・回線の問題を伝える
繰り返してもらっても取れないときは、入力の条件そのものを変えます。
- Could you speak a little more slowly?(もう少しゆっくり話していただけますか?)
- Could you speak up a little?(もう少し大きな声で話していただけますか?)
- Sorry, you’re breaking up.(すみません、音声が途切れています。)
- I think we have a bad connection.(回線の状態が悪いようです。)
breaking up は「音声がぶつ切れになっている」という電話会議の頻出表現です。回線の問題は誰のせいでもないので、指摘をためらう必要はありません。

確認の英語フレーズ|数字と期日は復唱で固定する
聞き返しで音を取り直したら、次は「聞き取れた内容を固定する」フェーズです。ここで重要なのは、確認を記憶力の代わりに使う、という発想です。聞いた情報を覚えておく「情報保持」の容量には限りがあり、聞き取りに頭を使っている電話会議ではなおさらです。数字や期日をその場で復唱して相手に確認すれば、聞き間違いをその場で潰せるうえ、記憶の負担を外に逃がせます。確認は、能力ではなく技術です。
① 復唱確認 ― 数字・期日はその場で口に出す
最も使用頻度が高く、最も事故を減らすのがこの型です。相手の発言から数字・曜日・期日・金額を掴んだら、そのまま復唱して right? / correct? で締めます。
- Friday the twenty-second, right?(22日の金曜日ですね?)
- Three p.m. Tokyo time, correct?(東京時間の午後3時で合っていますか?)
- So the budget is fifty thousand dollars, is that right?(つまり予算は5万ドルということですね?)
15(fifteen)と50(fifty)、SとFのような聞き間違いやすいペアは、回線越しでは特に区別がつきにくくなります。数字が出たら復唱する、を無条件の習慣にしてください。
② 解釈確認 ― Just to confirm で認識を揃える
音は取れたが、解釈が合っているか不安なとき。自分の理解を文にして、相手に検証してもらいます。
- Just to confirm, do you mean we should stop the current plan?(確認ですが、現行プランを止めるべきという意味ですか?)
- So you’re saying the launch will be delayed, is that right?(つまりローンチが遅れるということですね?)
- If I understood correctly, the client has already agreed.(私の理解が正しければ、クライアントはすでに合意している、と。)
Just to confirm は前置きとして機能し、「聞いていなかったのではなく、認識を揃えたい」という意図を伝えます。
③ 要約確認 ― 議題の区切りで合意を固定する
議題が一つ終わるタイミングで、決まったことを要約して固定します。参加者でも使えますし、これができると会議への貢献度が一段上がります。
- Let me summarize what we’ve agreed so far.(ここまでの合意事項を整理させてください。)
- So, to recap: the deadline is Friday, and Sarah will send the draft.(まとめると、締め切りは金曜、サラさんがドラフトを送る、ですね。)
復唱(単語レベル)→ 解釈(文レベル)→ 要約(議題レベル)。確認はこの3層で覚えると、どの粒度の不安にも対応できます。
進行の英語フレーズ|音声だけの会議を前に進める
3つ目の機能は進行です。顔が見えない会議では、視線やうなずきによる「誰が話すか」の合図がすべて消えます。だから電話会議の進行フレーズは、司会のテクニックである前に、参加者にも関係する音声だけの場の交通ルールです。
開始と接続確認
- Can everyone hear me?(皆さん、聞こえていますか?)
- Is everyone on the line?(全員つながっていますか?)
- Let’s get started.(始めましょう。)
冒頭の接続確認は儀式ではありません。ここで音質の問題を潰しておくほど、本編での聞き返しが減ります。聞こえづらいなら、この段階で I’m having trouble hearing you.(聞き取りづらいです)と申告してください。
名乗る・名指しする ― 音声だけの会議の交通ルール
電話会議では「今誰が話しているのか」が分かりません。だから、発言の頭に名乗るのが基本の型です。
- This is Ken. I’d like to add one point.(ケンです。1点補足させてください。)
- Ken here. Quick question.(ケンです。1つ質問です。)
これは参加者が今日から使える運用です。名乗ってから話すだけで、あなたの発言は格段に追いやすくなります。逆に人に発言を求めるときは、名前で指定します。音声だけの場では「どうぞ」「いかがですか」は宛先を失って沈黙を生むからです。
- Sarah, could you walk us through the numbers?(サラさん、数字の説明をお願いできますか?)
- Ken, do you have anything to add?(ケンさん、何か補足はありますか?)
割り込むときは、前置きを一言入れます。
- Sorry to interrupt, but may I ask a question?(お話の途中にすみません、1つ質問してもいいですか?)
議題を進める・締める
- Let’s move on to the next item.(次の議題に移りましょう。)
- Shall we wrap up?(そろそろ締めましょうか。)
- Thank you all for joining.(皆さん、ご参加ありがとうございました。)
なお、意見を述べる・賛成する・反対するといった議論のフレーズは、電話会議に限らず英語会議全般で共通です。そちらは音声変化の解説つきでまとめた別記事(英語会議で即実践!フレーズ20選)に譲ります。また、会議の準備からフォローまでの進め方全体は英語会議の進め方ガイドで扱っています。本記事は「音声のみ」という条件で必要になるフレーズに絞りました。
なお、会議ではなく1対1の電話応対(取次ぎ・伝言・折り返し)で使うフレーズは、ビジネス英語の電話応対フレーズ集|会社代表として失礼のない型にまとめています。
よくある失敗 ― フレーズを「知っている」だけでは事故は減らない
フレーズが揃ったところで、多くの学習者がつまずく3つの失敗を先回りして潰しておきます。
① 聞き取れないまま Yes と言ってしまう
最も危険な失敗です。聞き取れなかったのに、場をつなぐために “Yes.” と返す。日本語の相槌の感覚では「聞いていますよ」の合図のつもりでも、英語では合意として記録され、期日や依頼への Yes はそのままあなたのコミットメントになります。
対処はシンプルです。数字・期日・依頼が聞こえた気がしたら、Yes ではなく復唱確認に置き換える。By Wednesday, right?(水曜までですね?)と返せば、合っていれば確認になり、間違っていれば相手が訂正してくれます。どちらに転んでも事故が消えます。
② フレーズ集を読んで覚えた気になる
この記事を読み終えた時点で、あなたはフレーズを「知っている」状態になります。しかし、読んで分かることと、とっさに言えることは、使っている能力が違います。
スピーキングは「概念化(何を言うか決める)→文章化(英文に組み立てる)→音声化(声に出す)」という段階的な処理でできています。読んで分かるのは受容の処理で、とっさに言うのは産出の処理です。日本人学習者の多くは、読み聞きに必要な受容的な文法知識に比べて、自分で文を作り出す産出の側が未訓練だと整理されています。知識のままのフレーズは、一番必要な瞬間 ― 聞き取りに頭を使い切っている瞬間 ― に出てきません。
③ リスニング力を一気に上げようとして挫折する
「電話会議が聞き取れないなら、リスニング教材を毎日2時間やろう」という発想は、途中で折れがちです。原因は、2つの層を混ぜていることにあります。
電話会議対策には、運用で埋める層と能力で埋める層があります。聞き返し・確認・進行のフレーズを自動化するのが運用の層で、これは数週間の反復で到達でき、聞き間違い事故を直ちに減らせます。一方、音声知覚や意味理解というリスニングの土台は能力の層で、発音・音声変化・チャンク処理の訓練に月単位の時間がかかります。順番は運用が先です。まず事故を減らし、そのうえで土台を育てる。この順序なら、成果が先に出るので続きます。
The PAST式 ― フレーズを「とっさに出る」状態にする
では、運用の層=フレーズの自動化はどう進めるか。手順は4つです。
ここで一つ、有利な事実があります。聞き返し・確認のフレーズは、概念化の負担がほぼゼロだということです。Could you say that again? に「何を言うか」を考える余地はありません。文章化と音声化さえ自動化すれば、聞き取りに認知資源を奪われている最中でも口が勝手に出してくれる。定型フレーズは、スピーキングの中で最も自動化しやすい部分です。
- フレーズを絞る。 3機能×2〜3本、合計10本以内。この記事の全フレーズを覚える必要はありません。多く覚えるほど検索が遅くなります。
- Listen & Repeat で口に落とす。 1チャンク聞いたら音声を止め、そのチャンクを正確に声に出して反復する。「聞く→止める→言う」の順で、音と口の動きを一致させます。
- オーバーラッピングで仕上げる。 スクリプトを見ながら、音声と同時に音読する。スピードとリズムを本番の速度に慣らします。
- 次の電話会議での行動目標を1つ決める。「数字が出たら復唱確認を1回使う」で十分です。本番で1回使えたフレーズは、それ以降あなたのものになります。
なお、この用途でシャドーイング(音声に少し遅れて同時に声を重ねる練習)を主軸にすることは推奨しません。聞きながら同時に発声する高負荷の作業は、初中級者では音に注意を向ける余力を奪い、フィードバックのない独学では誤った発音のまま固まるリスクがあるからです。理由と研究的根拠は別記事(シャドーイングは意味ない?)で詳しく説明しています。
記事内トレーニング ― 聞き返し・復唱確認を口に落とす(約8分)
ここまでの内容を、5〜10分で身体に落とし込みます。題材は、電話会議の冒頭でそのまま起きる短いやりとり(名乗り→聞き返し→復唱確認→進行)です。各Practiceの冒頭に「いまどの能力を鍛えているか」を1行で示します。
Practice 1:音声だけで聞く(約1.5分)
鍛える能力:音声知覚 ― 文字も顔もない状態で、英語の音をどこまで捉えられるか。
下のスクリプトと日本語訳はまだ見ないでください。できれば画面から目を離して、音声を1回通しで聞きます。これが電話会議と同じ入力条件です。聞き終えたら、「誰が・何を・いつ」をどこまで掴めたか、聞き取れた割合を数字で自己評価してください(例:6割)。
Practice 2:スローで音をほどく(約2分)
鍛える能力:音声知覚 ― つながる音・弱くなる音を分解して認識する。
上のスロー版音声(0.7倍速)で、breaking up(ブレイキンガップ)、say that again(セイザラゲン)のようにつながる音に注目します。次にもう一度 Practice 1 の通常速度に戻し、聞こえ方が変わるか確かめてください。ここで初めて下のスクリプトを見て、答え合わせをします。
【English】 A: Thanks for joining, everyone. This is Ken from the Tokyo office. B: Hi Ken, this is Sarah. Sorry, you’re breaking up a little. Could you say that again? A: Sure. I said the deadline has moved to Friday the twenty-second. B: Friday the twenty-second, right? Just to confirm, is that the final deadline for the draft? A: That’s correct. OK, let’s move on to the next item.
【日本語訳】 A: 皆さん、ご参加ありがとうございます。東京オフィスのケンです。 B: ケンさん、こんにちは。サラです。すみません、音声が少し途切れています。もう一度言っていただけますか? A: もちろん。締め切りが22日の金曜日に変更になった、と言いました。 B: 22日の金曜日ですね? 確認ですが、それがドラフトの最終締め切りということでしょうか? A: そのとおりです。では、次の議題に移りましょう。
Practice 3:キーフレーズを口に落とす(約2.5分)
鍛える能力:文章化・音声化 ― 聞き返し・確認フレーズを、考えずに言える状態に近づける。
聞き返し・確認・進行のキーフレーズ7本を、Listen & Repeat で反復します。上の音声は1チャンク流れたら止まり、反復のための無音(ポーズ)が入ります。1チャンク聞いたら、ポーズの間にそのチャンクを正確に声に出して反復してください。口ごもったチャンクは、そこだけ巻き戻してもう一度。音声に重ねて同時に発声はしません。必ず「聞く→止める→言う」の順で行います。
【キーフレーズ(英語/日本語訳)】 You’re breaking up a little.(音声が少し途切れています) Could you say that again?(もう一度言っていただけますか?) I couldn’t catch the last part.(最後の部分が聞き取れませんでした) Friday the twenty-second, right?(22日の金曜日ですね?) Just to confirm,(確認ですが、) is that the final deadline?(それが最終締め切りですか?) Let’s move on to the next item.(次の議題に移りましょう)
Practice 4:復唱確認を3秒で返す(約2分)
鍛える能力:概念化・文章化 ― 相手の発言から数字・期日を掴み、即座に復唱で固定する。
下は会議の相手役の発言です。1本ずつ読み、矢印の先のモデル復唱は手で隠したまま、発言の中の数字・曜日・期日を掴んで復唱し、right? / correct? で確認を返してください。言い終えてからモデル復唱と照合します。完璧な文でなくてかまいません。「数字を掴んで3秒以内に声に出せたか」だけを確認します。
【相手の発言とモデル復唱(英語/日本語訳)】 Q1: The deadline is Friday the twenty-second.(締め切りは22日の金曜日です) → Friday the twenty-second, right?(22日の金曜日ですね?)
Q2: Let’s schedule the next call for 3 p.m. on Thursday.(次の電話会議は木曜の午後3時にしましょう) → Thursday at 3 p.m., correct?(木曜の午後3時で合っていますか?)
Q3: Could you send the report to everyone by Wednesday?(水曜までにレポートを全員に送ってもらえますか?) → By Wednesday. Understood, I’ll do that.(水曜までですね。承知しました、対応します)
4つを終えると、二つの感覚が残るはずです。Practice 1 で分かった「音声だけの英語はまだ全部は取れない」という現在地と、Practice 3〜4 の「定型フレーズなら反復すれば口から出る」という手応え。このギャップが、運用の層と能力の層の違いです。
まとめ ― 次の電話会議までにできること
この記事で変わったことを整理します。
まず、電話会議で聞き取れない理由を構造で説明できるようになりました。視覚情報がゼロになり、回線が高い周波数の音を削り、その負荷がリスニング最下層の音声知覚に集中する。だから聞き返しと確認は、劣化した入力への標準的な補正です。
次に、フレーズを3つの機能で持てるようになりました。聞き返しは「全部→部分→条件変更」の3段階で使い分け、同じフレーズを3回繰り返さない。確認は復唱・解釈・要約の3層で、数字と期日は必ず復唱で固定する。進行は「名乗ってから話す・名前で振る」という音声だけの場の交通ルールとして使う。
そして、練習の方針が決まりました。フレーズは10本以内に絞り、Listen & Repeat とオーバーラッピングで口に落とす。次の電話会議での行動目標は「数字が出たら復唱確認を1回使う」。それが最初の一歩です。
聞き返した後の英語を、聞き取れる耳をつくる
最後に、この記事の射程を正直に示します。
聞き返し・確認・進行のフレーズは、運用の層です。数週間の反復で自動化でき、聞き間違いの事故を直ちに減らせます。しかし、聞き返した後に返ってくる英語を処理する力 ― 音声知覚と意味理解というリスニングの土台 ― は、フレーズ暗記では埋まりません。Could you say that again? が完璧に言えても、返ってきた2回目の音声が処理できなければ、会議にはついていけないままです。
そしてこの土台のつまずきは、人によって層が違います。音声知覚(音が取れない)で止まっている人と、意味理解(音は取れるが追いつかない)で止まっている人では、必要な訓練が別物です。どの層で止まっているかを自分の耳で聞き分けるのは難しく、ここが独学の診断の限界になります。
The PAST の無料カウンセリングでは、あなたのリスニングがどの層でつまずいているかを診断し、電話会議という実務のゴールから逆算した訓練を設計します。フレーズという応急処置と、土台という根本治療。この2層を分けて設計することが、電話会議を「乗り切る」から「議論に参加する」に変える最短の道です。
まずは、次の電話会議で復唱確認を1回使うことから始めてください。その1回が、運用の層の完成の始まりです。