ビジネス英語の電話応対フレーズ集|会社代表として失礼のない型

記事の執筆者 メイソン(株式会社The Past 代表 / 椿祐輔)

VERSANT満点(90点)、CEFR C2レベルの英語力を有する。フィリピンの語学学校で10年以上にわたりカリキュラムと教材開発に従事し、述べ5,000人以上の多国籍な英語学習者(日本、中国、台湾、ベトナム、ロシア等)の学習をサポート。言語学と音声学に精通しており、現在は株式会社The Pastの代表取締役、カリキュラム開発者として、グローバルな英語教育を推進している。

「会社にかかってきた英語の電話を取ったら頭が真っ白になる」「相手の名前と用件を聞き取れず、失礼な対応になってしまう」——電話応対は対面会話よりも難しい場面です。

理由はシンプルです。電話は表情・口元の動き・身振りが見えないため、情報源が音声だけに限定されます。さらに通話品質による音声劣化が加わり、リスニングの負荷は通常会話の1.5倍以上になります。

本記事では、電話応対を6場面(受ける/かける/取次ぎ/不在対応/メッセージ/切る)に分けて整理し、定型フレーズと電話特有の注意点を体系化します。

電話応対の基本3原則

電話で失礼にならないために、まず3つの原則を押さえます。

  • 最初の3語で会社名と自分の名を明示する:相手は誰につながったかを最初に確認したい。「もしもし」のような曖昧な呼びかけは英語にない
  • 最初の1文は意識的にゆっくり話す:通話品質による劣化を考慮し、相手が聞き取りやすいペースで自己紹介する
  • 聞き取れなかったら正直に聞き返す:わかったふりは後で大きな問題に発展する。Could you repeat that, please? を躊躇なく使う
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① 電話を受けるとき

会社代表として電話を取る場面。「会社名 → 自分の名 → speaking」の順序が英語ビジネスの標準型です。

#フレーズ日本語
1Good morning/afternoon, [Company Name], [Your Name] speaking.おはようございます/こんにちは、[会社名]の[名前]です。
2Hello, [Department Name], how can I help you?[部署名]です、どのようなご用件でしょうか。
3Thank you for calling [Company Name].[会社名]にお電話いただきありがとうございます。

ポイント:「This is 〇〇 from [Company]」よりも「[Company], 〇〇 speaking」の方がビジネス英語として馴染みます。

② 電話をかけるとき

自分が発信側のとき。「自分の名と所属 → 用件 → 相手の指名」の順序で進めます。

#フレーズ日本語
4Hello, this is [Your Name] from [Company]. May I speak to [Name], please?こんにちは、[会社]の[名前]です。[相手]さんをお願いできますか。
5Hi, it’s [Name]. Is [Person] available?[名前]です。[相手]さんはいらっしゃいますか。
6I’m calling regarding [Topic].[用件]についてお電話いたしました。
7I’d like to discuss [matter] with [Person].[相手]さんと[案件]についてお話ししたいのですが。

③ 取次ぎ・保留

#フレーズ日本語
8One moment, please. I’ll put you through.少々お待ちください、おつなぎします。
9Could you hold the line, please?お待ちいただけますか。
10May I ask who’s calling?どちら様でしょうか。
11Could I have your name and company, please?お名前と会社名をお伺いできますか。
12Let me transfer you to [Department].[部署]におつなぎします。

注意:「May I ask who’s calling?」は最初に相手を確認するときの標準表現。「Who is this?」は強い詰問調になるので避けます。

④ 相手不在のときの対応

#フレーズ日本語
13I’m afraid [Name] is not available at the moment.申し訳ありませんが、[相手]はただいま不在です。
14[Name] is in a meeting right now.[相手]はただいま会議中です。
15Would you like to leave a message?ご伝言を承りましょうか。
16Could I ask [Name] to call you back?[相手]から折り返しお電話するように伝えましょうか。
17When would be a good time to reach them?何時頃なら連絡が取りやすいですか。

⑤ メッセージを伝える・受ける

#フレーズ日本語
18Could I leave a message for [Name]?[相手]に伝言をお願いできますか。
19Please tell [Name] that I called.お電話差し上げたとお伝えください。
20Could you ask [Name] to call me back at [Number]?[相手]に[番号]までお電話くださるようお伝えください。
21Let me repeat that to make sure I got it right.内容を確認するため、復唱させてください。
22I’ll make sure [Name] gets the message.[相手]に必ず伝えます。

ポイント:メッセージを受けたら必ず復唱(read-back)します。Let me repeat … は誤伝達を防ぐビジネス標準の作法です。

⑥ 電話を切る

#フレーズ日本語
23Thank you for your call.お電話ありがとうございました。
24I’ll get back to you by [time].[時刻]までに折り返しご連絡します。
25Have a great day.よい一日を。
26Please feel free to call again if you have any questions.ご質問があればいつでもお電話ください。

電話応対の会話例(ダイアログ)

実際の電話応対は、これまでの場面別フレーズが連続して使われます。代表的な2つの流れで、会話例を示します。

ダイアログ1:取次ぎ → 不在 → メッセージ

A: Good morning, ABC Corporation, Sato speaking.
B: Good morning. This is Mike Johnson from XYZ Company. May I speak to Mr. Tanaka, please?
A: One moment, please. … I’m afraid Mr. Tanaka is in a meeting right now. Would you like to leave a message?
B: Yes, could you ask him to call me back at 555-1234?
A: Certainly. Let me repeat that — five-five-five, one-two-three-four. I’ll make sure Mr. Tanaka gets the message.
B: Thank you very much.
A: Have a great day.

(A:おはようございます、ABC社の佐藤と申します。/B:おはようございます。XYZ社のマイク・ジョンソンです。田中様をお願いできますか。/A:少々お待ちください。…申し訳ありません、田中はただいま会議中です。ご伝言を承りましょうか。/B:はい、555-1234まで折り返しいただけるようお伝えください。/A:かしこまりました。555-1234ですね、復唱します。田中に必ず伝えます。/B:ありがとうございます。/A:よい一日を。)

ダイアログ2:発信 → 用件 → 日程調整

A: Hello, this is Aya Sato from ABC Corporation. May I speak to Ms. Smith, please?
B: Speaking. How can I help you?
A: I’m calling regarding next week’s contract. Would it be possible to schedule a brief meeting on Tuesday afternoon?
B: Let me check my calendar… Tuesday at 3 PM works for me.
A: Tuesday at 3 PM — I’ll send you a calendar invite. Thank you for your time.
B: You’re welcome. Talk to you then.

(A:こんにちは、ABC社の佐藤アヤと申します。スミス様をお願いできますか。/B:私です。どのようなご用件でしょうか。/A:来週の契約の件でお電話しました。火曜の午後に短くミーティングのお時間をいただけますか。/B:カレンダーを確認します…火曜の午後3時なら大丈夫です。/A:火曜の3時ですね。カレンダー招待をお送りします。お時間をありがとうございました。/B:こちらこそ。それでは火曜に。)

会話例の中では、これまでの場面別フレーズが「自然な順序」で繋がっています。フレーズ単独で覚えるのではなく、流れの中で覚えると本番で出やすくなります。

聞き取れないときの定型フレーズ

電話特有の音声劣化や早口で聞き取れない場面は必ず発生します。わかったふりは禁物。次の3フレーズを反射的に出せる状態にしておきます。

  • Could you repeat that, please?(もう一度お願いできますか)
  • Could you speak a little more slowly?(もう少しゆっくりお話しいただけますか)
  • Could you spell that for me?(綴りを教えていただけますか)

特に人名と会社名は綴りを確認する習慣をつけます。Could you spell that for me? は失礼ではなく、むしろ丁寧な確認として歓迎されます。

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電話応対のNG例

NG1:moshi moshi で出る

英語圏に「もしもし」の概念はありません。最初から「[Company Name], [Your Name] speaking.」と名乗ります。

NG2:Who is this? を最初に使う

「誰だ?」という詰問調に響きます。May I ask who’s calling? が正解。

NG3:聞こえないので Yes を返す

意味がわからないまま Yes を返すと、後で「同意した」と解釈されるリスクがあります。Could you repeat that? で必ず聞き直します。

NG4:早口で名乗る

自社名と自分の名前は最も重要な情報です。意識的にゆっくり・はっきり発音します。

電話応対の練習法

電話英語は本番で初めて取り組むと必ず失敗します。事前に3つの練習で備えます。

  • 受け答えのスクリプト化:会社名と自分の名前を含めた標準応答を紙に書き、電話のそばに貼る。10回声に出して読む
  • 独り言ロールプレイ:相手役と自分役を交互に演じ、6場面を一人で繰り返す
  • 音声教材の電話シーン集中聞き:ビジネス英語教材の電話シーンを2倍速で聞き、聞き取り能力を上げる

まとめ

電話応対は対面会話より難しい場面ですが、6場面の定型フレーズと3つの基本原則を持っていれば仕組みで支えられます。「最初の3語で会社名と自分の名を明示」「最初の1文はゆっくり」「聞き取れないときは正直に聞き返す」——この3原則を守れば、英語電話で失礼に映ることはほぼなくなります。

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