英語会議の進行フレーズ集|開会から閉会まで7場面の実用80選
本記事は『進行役・司会』として会議を回す側のフレーズに焦点を当てます。参加者目線の基本フレーズ集は別記事『英語会議で即実践!フレーズ20選』()をご参照ください。
英語会議の進行フレーズを「とにかく数を覚える」アプローチで準備している限り、いざ本番で沈黙・聞き返し・脱線が起きると固まります。
理由はシンプルです。会議の進行は、語彙力ではなく「場面ごとの定型反応」で成り立っているからです。Wray (2002) と Schmitt (2004) は、定型表現(formulaic chunk)が一塊の単位として記憶・検索されるため、その場で文を組み立てるよりも処理が速いと指摘しています。会議のように即応性が問われる場では、ゼロから英文を構成する余裕はありません。事前に場面別のチャンクをストックしているかどうかが、進行の安定性をそのまま決めます。
この記事では、英語会議の進行を「開会/目的提示/議長交代/意見議論/タイム管理・脱線処理/キャッチアップ/閉会」の7場面に分解し、各場面で即使える例文を英日併記で80句紹介します。さらに、丁寧度3軸での使い分けと、日本人が陥りやすい誤学習も整理します。羅列型のフレーズ集ではなく、「どの場面で何を選ぶか」が判断できる状態に持っていくことを目的にした記事です。
結論:英語会議の進行は「7つの場面」に分解できます
最初に結論を出します。
英語会議の進行は、次の7場面に分解できます。
- 開会(場をつくる)
- 目的・議題提示(議論の方向を決める)
- 議長交代(発言権を渡す/受ける)
- 意見・議論(引き出す/述べる/同意反対)
- タイム管理・脱線処理(時間と論点を守る)
- キャッチアップ(聞き返す/確認する/割り込む)
- 閉会(要約/合意確認/次アクション)
この分解が重要なのは、進行役の仕事が単一の能力ではないからです。一般的に「英語の司会力」と呼ばれているものは、実際には次の5機能の組み合わせです。
- 時間管理(議題ごとの所要時間をコントロールする)
- 発言制御(沈黙を破る/長すぎる発言を切る)
- 議論統合(複数意見をまとめる)
- 脱線処理(議題に戻す)
- 合意形成(結論を言語化する)
「英語の会議で固まる」状態の正体は、英語力ではなく、上記5機能のうちどれが弱いかが分解できていないことです。たとえば「議長交代で詰まる」場合、必要なのは発音改善ではなく、hand over 系の定型10句程度を即応可能な状態でストックすることです。
Handford (2010) は、ビジネス会議が opening → agenda setting → topic management → decision-making → closing という段階構造を持ち、各段階に固有の定型表現が集中することをコーパス研究で示しています。つまり、進行フレーズは「ランダムに沢山覚える」より「場面別に必要十分量を覚える」ほうが、本番の即応性が圧倒的に高くなります。


ここからは、7場面それぞれで使うフレーズを英日併記で提示します。各場面の冒頭に「何のための場面か」と「ここで詰まる人の典型パターン」を置いてから、フレーズを並べます。
1. 開会フレーズ|場をつくる3つの型
開会の役割は、「全員の意識を会議に向ける」ことです。雑談から議題への切り替えが曖昧だと、最初の10分が無駄になります。
ここで詰まる人の典型パターンは、Hello, everyone. と言った後に次の一手が出ず、沈黙が流れることです。開会は「あいさつ → 参加への感謝 → 開始合図」の3段ユニットで覚えると安定します。
あいさつと参加への感謝
| 英語 | 日本語訳 | 補足 |
|---|---|---|
| Good morning, everyone. Thanks for joining today. | みなさん、おはようございます。今日はご参加ありがとうございます。 | 標準型。時間帯で morning/afternoon を切り替える |
| Thank you all for making time for this. | お時間を作っていただきありがとうございます。 | 多忙な相手向け。少しフォーマル |
| Thanks for joining on short notice. | 急な招集にもかかわらず、参加ありがとうございます。 | 緊急会議用 |
| Welcome, everyone. Good to see you all. | みなさん、ようこそ。お会いできて嬉しいです。 | 初対面メンバーがいる場合に有効 |
| Hi everyone, thanks for hopping on the call. | みなさん、コールへの参加ありがとうございます。 | オンライン会議のカジュアル開始 |
開始の合図
| 英語 | 日本語訳 | 補足 |
|---|---|---|
| Let’s get started. | では、始めましょう。 | 最も汎用。迷ったらこれ |
| Shall we get started? | 始めましょうか。 | 開始判断を全員に投げる柔らかい型 |
| Let’s kick things off. | 始めていきましょう。 | ややカジュアル |
| Let’s dive right in. | さっそく本題に入りましょう。 | 雑談から議題への切り替えに有効 |
| Now that everyone’s here, let’s begin. | 全員集まったので、始めましょう。 | 遅れて到着があった場合 |
全員が揃わない場合
| 英語 | 日本語訳 | 補足 |
|---|---|---|
| We’re still waiting for a couple of people. Let’s give them another minute. | あと数名待っています。もう少し待ちましょう。 | 開始判断を保留する型 |
| Let’s go ahead and start. Others can join us later. | 先に始めましょう。残りは後で合流できます。 | 待たずに進行を始める判断 |
2. 司会進行フレーズ|目的・議題の提示
開会の次に来るのは、「今日の会議で何を決めるか」を全員の頭に揃える作業です。ここを曖昧にすると、議論が後半で必ず脱線します。
ここで詰まる人の典型パターンは、purpose / agenda / objective の使い分けに迷い、結果として「今日は◯◯について話します」だけで終わってしまうことです。目的(purpose)→ 議題(agenda)→ 期待する成果(outcome)の3段で提示すると、参加者全員のゴールが揃います。
目的の提示
| 英語 | 日本語訳 | 補足 |
|---|---|---|
| The purpose of today’s meeting is to align on the Q3 strategy. | 本日の会議の目的は、第3四半期戦略のすり合わせです。 | purpose は「会議そのものの存在理由」を指す |
| Today, we want to make a decision on the budget allocation. | 今日は予算配分について決定したいと思います。 | 決定型会議の宣言 |
| We’re here to brainstorm ideas for the new product. | 本日は新製品のアイデア出しのために集まっています。 | ブレスト型会議の宣言 |
| The goal today is to walk away with three concrete action items. | 今日のゴールは、具体的なアクションを3つ持ち帰ることです。 | 期待成果を最初に明示 |
議題(アジェンダ)の提示
| 英語 | 日本語訳 | 補足 |
|---|---|---|
| Here’s the agenda for today. | 本日のアジェンダはこちらです。 | 画面共有や資料表示と組み合わせる |
| We have three items on the agenda. | アジェンダは3項目あります。 | 数を先に出すと参加者の見通しが立つ |
| Let’s start with the first item on the agenda. | アジェンダの1項目目から始めましょう。 | 議題進行の開始合図 |
| I’ve sent the agenda in advance. Please refer to it as we go. | アジェンダは事前に送付済みです。進行に合わせて参照してください。 | 事前共有型の確認 |
グランドルールの確認(必要に応じて)
| 英語 | 日本語訳 | 補足 |
|---|---|---|
| Let’s keep each topic to ten minutes. | 各議題は10分以内でお願いします。 | タイムボックス宣言 |
| Please feel free to jump in with questions. | 質問はいつでも遠慮なくしてください。 | 双方向性を担保する宣言 |
| Let’s hold questions until the end of each section. | 各セクション終わりまで質問はお待ちください。 | 一方向進行を選ぶ場合 |
3. 議長交代フレーズ|hand over の正しい型
議長交代は、競合フレーズ集で最も扱いが薄い場面です。にもかかわらず、実務では「自分が話し終えて誰かに発表を振る」「資料担当に画面共有を渡す」場面が頻繁に発生します。会議の中でプレゼン担当者に引き渡したあと、質疑応答パートを進行する局面は特に多く、その質疑応答パートで使うフレーズは別記事『英語プレゼンフレーズ30選』()に整理しています。
ここで詰まる人の典型パターンは、Next, please. のような曖昧な振りで終わってしまい、受け手が誰でいつ話し始めるのか不明瞭になることです。hand over 系は「誰に → 何を → どうぞ」の3要素を1文で伝える型を持つと安定します。
渡す側(hand over to)
| 英語 | 日本語訳 | 補足 |
|---|---|---|
| I’d like to hand it over to Sarah for the next item. | 次の議題はサラさんにお願いします。 | 標準的な hand over 構文 |
| I’ll pass it over to Mark, who will walk us through the numbers. | マークさんに引き継ぎます。数字の説明をお願いします。 | 役割明示付き |
| Over to you, Kenji. | では、ケンジさん、お願いします。 | 短く渡す型 |
| Sarah, please take it from here. | サラさん、ここから引き継いでください。 | 受け手指名型 |
| I’ll let Mark take the floor on this one. | この件はマークさんから話していただきます。 | take the floor は「発言権を取る」の定型 |
| Let me bring in Sarah, who’s been leading this project. | このプロジェクトを率いてきたサラさんに入っていただきます。 | 紹介を兼ねた hand over |
受ける側(take the floor)
| 英語 | 日本語訳 | 補足 |
|---|---|---|
| Thanks, John. I’ll take it from here. | ジョンさん、ありがとうございます。ここから引き継ぎます。 | 標準的な受け答え |
| Thank you. Let me share my screen first. | ありがとうございます。まず画面を共有させてください。 | オンライン会議で頻出 |
| Thanks for the intro. I’ll keep this brief. | ご紹介ありがとうございます。手短にお話しします。 | 紹介を受けたとき |
一時的に発言権を返す
| 英語 | 日本語訳 | 補足 |
|---|---|---|
| That’s all from me for now. Back to you, John. | 私からは以上です。ジョンさん、戻します。 | 自分パート完了の合図 |
| I’ll stop here and hand it back. | ここまでにして、お返しします。 | より短い型 |
4. 意見・議論フレーズ|引き出す・述べる・同意反対を機能別に
議論パートは、進行フレーズ集の中で最もボリュームが膨らむ場面です。ただし、「数を覚える」より「機能で覚える」ほうが本番で機能します。意見系フレーズは次の3機能で分けます。
- 引き出す(参加者に意見を求める)
- 述べる(自分の意見を出す)
- 同意・反対(他者の意見に反応する)
それぞれを丁寧度3段階(直接 → 標準 → 丁寧)で持っておくと、相手や場の空気に合わせて即座に選べます。Brown & Levinson (1987) のポライトネス理論では、相手の自由を侵さない hedging(婉曲)が対人配慮の英語的デフォルトとされています。直接型ばかり持っていると無礼に響き、丁寧型ばかりだと優柔不断に見えるため、3段階を揃えることが実用上の最低条件です。
なお、自分の意見をより強く・構造的に主張する技術については、別記事『英語で意見を主張するフレーズ』()で詳しく扱っています。本記事の「述べる」セクションと併読すると、進行役としての発言の幅が広がります。
意見を引き出す(指名・全体投げ)
| 英語 | 日本語訳 | 丁寧度 |
|---|---|---|
| Sarah, what’s your take on this? | サラさん、これについてどう思いますか。 | 標準(指名) |
| Could I get your thoughts, Mark? | マークさん、ご意見を伺えますか。 | 丁寧(指名) |
| Anyone want to weigh in? | 誰か発言したい人はいますか。 | 標準(全体) |
| What does everyone think about this? | みなさん、これについてどう思いますか。 | 標準(全体) |
| I’d love to hear from the team on this. | チームの意見をぜひ伺いたいです。 | 丁寧(全体) |
| Let’s hear from someone we haven’t heard from yet. | まだ発言していない方からも聞きましょう。 | 沈黙打破型 |
自分の意見を述べる
| 英語 | 日本語訳 | 丁寧度 |
|---|---|---|
| In my opinion, we should go with option B. | 私の意見では、選択肢Bが良いと思います。 | 標準 |
| From my perspective, the timing isn’t right. | 私の視点では、タイミングが合っていません。 | 標準 |
| I’d argue that we need more data before deciding. | 決定の前にもう少しデータが必要だと考えます。 | やや直接 |
| I’m inclined to support option A. | 選択肢Aを支持したいと思います。 | 丁寧(hedging) |
| I’d lean toward holding off on this. | これは見送る方向に傾いています。 | 丁寧(hedging) |
| If I may, I’d like to add something here. | よろしければ、ここで一点付け加えたいです。 | 丁寧(割り込み兼用) |
同意・部分同意
| 英語 | 日本語訳 | 補足 |
|---|---|---|
| I completely agree with that. | 完全に同意します。 | 強い同意 |
| That makes a lot of sense. | それはとても理にかなっています。 | 中立的同意 |
| Good point. I hadn’t thought about that. | いい指摘です。考えていませんでした。 | 相手を立てる同意 |
| I see where you’re coming from. | おっしゃることは分かります。 | 部分同意の入り口 |
| I agree on the direction, but the timeline concerns me. | 方向性は同意ですが、タイムラインが気になります。 | 部分同意(条件付き) |
反対・異論
| 英語 | 日本語訳 | 補足 |
|---|---|---|
| I see your point, but I’d push back on the timing. | おっしゃることは分かりますが、タイミングについては反論があります。 | 標準的な反論。push back は会議の定番 |
| I have a slightly different view. | 少し違う見方があります。 | 柔らかい異論 |
| I respectfully disagree. | 失礼ながら、同意できません。 | 丁寧だが明確な反対 |
| I’m not sure I’m convinced. Could you walk me through the rationale? | 納得しきれていません。根拠を説明してもらえますか。 | 反論の代わりに根拠要求 |
| Devil’s advocate here — what if the market shifts next quarter? | あえて反対の立場で言うと、来期に市場が変わったらどうしますか。 | 議論を深める定番フレーズ |
5. タイム管理・脱線処理フレーズ|run out of time と park this for now
タイム管理と脱線処理は、競合のほぼ全てで扱いが薄い領域です。ところが進行役の評価は、この2要素で大きく分かれます。時間内に終わらない会議と、議題が拡散して結論が出ない会議は、いずれも進行役の責任とみなされます。
ここで詰まる人の典型パターンは、「時間が押している」と感じても、参加者の発言を止める英語が出てこず、結果として全議題を中途半端に終えることです。タイム管理と脱線処理は「事実を伝える → 提案する」の2段で覚えます。
残り時間の警告
| 英語 | 日本語訳 | 補足 |
|---|---|---|
| We have about ten minutes left. | 残り約10分です。 | 中立的な事実提示 |
| In the interest of time, let’s move on. | 時間の関係で、次に進みましょう。 | 「時間の都合上」の定番表現 |
| We’re running a bit behind. Let’s pick up the pace. | 少し遅れています。ペースを上げましょう。 | 進行の巻き戻し |
| We’re running out of time on this item. | この議題は時間が押しています。 | 議題単位の警告 |
議題の切り上げ・先送り
| 英語 | 日本語訳 | 補足 |
|---|---|---|
| Let’s wrap this up and move to the next item. | この議題はまとめて、次に進みましょう。 | 締めて移行 |
| Let’s table this for now and circle back if we have time. | この議題はいったん保留にして、時間があれば戻りましょう。 | table = 保留にする |
| Can we take this offline? | この話は会議外で続けませんか。 | 「別途やりましょう」の定番 |
| Let’s park this for now. | いったん脇に置きましょう。 | park は脱線処理の定番動詞 |
| I’ll add this to the parking lot for the next meeting. | これは次回会議の保留リストに入れておきます。 | parking lot は会議用語 |
脱線を戻す
| 英語 | 日本語訳 | 補足 |
|---|---|---|
| Let’s get back on track. | 本題に戻りましょう。 | 最も汎用 |
| We’re getting a bit off topic. Let’s refocus. | 少し話が逸れています。本題に戻しましょう。 | 事実指摘+提案 |
| That’s a great point, but maybe for a separate discussion. | 重要な指摘ですが、別途議論したほうがよさそうです。 | 相手を立てつつ脱線を切る |
| Let’s stay focused on the agenda. | アジェンダに集中しましょう。 | 直接的な軌道修正 |
議論を打ち切って決定へ
| 英語 | 日本語訳 | 補足 |
|---|---|---|
| Let’s make a call on this. | ここで判断しましょう。 | make a call = 判断する |
| We need to make a decision now. | 今ここで決定する必要があります。 | 強い結論誘導 |
| Let’s go with option A and revisit if needed. | 選択肢Aで進め、必要があれば再検討しましょう。 | 仮決定型 |
6. キャッチアップフレーズ|聞き返し・確認・割り込みの3パターン
キャッチアップ系のフレーズは、TOEIC700帯のビジネスパーソンが最も詰まる領域です。「相手の英語が速くて聞き取れなかったが、Pardon? しか出てこない」場面は、英語会議で最も頻発する失敗パターンです。
ここで重要なのは、Pardon? を連発しないことです。Bardovi-Harlig (2013) が指摘するように、文法力があっても語用論的ルーティン(pragmatic routine)を持たない L2 話者は対人的に不適切な発話に陥りやすくなります。聞き返しは、聞き取れなかった「何が」を伝えると、相手も繰り返しやすくなります。聞き返し・確認・割り込みは別機能なので、それぞれ独立して持つ必要があります。
「そもそも英語会議そのものに付いていけない」段階の方は、フレーズの前段にある聴解・処理速度の問題を扱った『英語会議についていけないときの対処法』()も併せて確認することをおすすめします。
聞き返し(部分/全体)
| 英語 | 日本語訳 | 補足 |
|---|---|---|
| Sorry, could you repeat the last part? | すみません、最後の部分をもう一度お願いできますか。 | 部分特定型。Pardon? より圧倒的に有効 |
| I missed the last sentence. Could you say that again? | 最後の一文を聞き逃しました。もう一度お願いします。 | 何を聞き逃したかを明示 |
| Could you slow down a bit? I want to make sure I follow. | 少しゆっくり話してもらえますか。きちんと理解したいので。 | 速度調整の依頼 |
| Sorry, I lost you after the budget part. | すみません、予算の話のあとから追いつけなくなりました。 | 追いつけなくなった地点を伝える |
| You’re breaking up a little. Could you repeat that? | 音声が途切れています。もう一度お願いできますか。 | オンライン会議特有 |
内容の確認・言い換え依頼
| 英語 | 日本語訳 | 補足 |
|---|---|---|
| Just to make sure I understand, you’re saying that…? | 確認させてください、おっしゃっているのは…ということですか。 | 言い換え確認の定番 |
| Could you clarify what you mean by “scalable”? | 「スケーラブル」というのはどういう意味で使っていますか。 | 単語の意味確認 |
| Let me make sure I’ve got this right. | 正しく理解できているか確認させてください。 | 確認の前置き |
| So, in other words, we’re going with option A? | つまり、選択肢Aで進めるということですね。 | 言い換え型確認 |
| Can I just confirm one thing? | 一点だけ確認してもいいですか。 | 確認の宣言 |
割り込み(自分から発言権を取る)
| 英語 | 日本語訳 | 補足 |
|---|---|---|
| Sorry to interrupt, but I have a quick question. | 割り込んですみません、簡単な質問があります。 | 標準的な割り込み |
| Could I jump in here for a second? | ちょっと入ってもいいですか。 | カジュアルな割り込み |
| If I could just add to that — | それに付け加えると— | 同意しつつ補足の割り込み |
| Sorry, before we move on, can I ask something? | すみません、次に進む前に一つ質問してもいいですか。 | 移行前のストップ |
| One thing to add here. | ここで一点付け加えます。 | 短く割り込む型 |
7. 閉会フレーズ|要約・合意確認・次アクション
閉会の役割は、「決まったこと」「決まらなかったこと」「次に誰が何をするか」を全員の頭に揃えて終わることです。ここを曖昧にすると、会議後に「結局何が決まったのか」が分からないまま解散します。
ここで詰まる人の典型パターンは、Thanks, everyone. だけで終えてしまい、合意事項とアクションアイテムが言語化されないことです。閉会は「要約 → 合意確認 → 次アクション → 解散」の4段で型にします。
要約(summarize)
| 英語 | 日本語訳 | 補足 |
|---|---|---|
| Let me summarize what we’ve discussed. | 議論した内容をまとめます。 | 標準的な要約宣言 |
| To recap, we’ve agreed on three points. | 振り返ると、3点で合意しました。 | recap = 要約の定番動詞 |
| Here’s where we landed. | 着地点はこちらです。 | カジュアルな結論宣言 |
| Just to summarize the key takeaways… | 主な要点をまとめると… | takeaway = 持ち帰る要点 |
合意確認
| 英語 | 日本語訳 | 補足 |
|---|---|---|
| Does everyone agree with this? | これで全員同意ですか。 | 直接的な合意確認 |
| Are we all aligned on this? | これで認識は揃っていますか。 | aligned = 整合している |
| Any objections? | 反対意見はありますか。 | 短く合意を確認 |
| Can I take silence as agreement? | 沈黙は同意と受け取っていいですか。 | 沈黙が続く場合の最終確認 |
アクションアイテム
| 英語 | 日本語訳 | 補足 |
|---|---|---|
| Let’s go over the action items. | アクションアイテムを確認しましょう。 | action items は会議の必須語彙 |
| Sarah will own the proposal by Friday. | サラさんが金曜までに提案書を担当します。 | 担当・期限を1文で |
| I’ll follow up with the details by tomorrow. | 詳細は明日までにフォローアップします。 | follow up = 追って対応する |
| Let’s circle back on this next week. | 来週またこの件で話しましょう。 | circle back = 後で戻る |
解散
| 英語 | 日本語訳 | 補足 |
|---|---|---|
| That concludes today’s meeting. Thanks, everyone. | 本日の会議は以上です。みなさん、ありがとうございました。 | 標準的な閉会 |
| Thanks for your time. Talk to you soon. | お時間ありがとうございました。また近いうちに。 | カジュアル |
| I’ll send out the minutes by end of day. | 議事録は本日中に送ります。 | minutes = 議事録 |
| Have a great rest of the day. | 今日もこのあと良い一日を。 | オンライン会議の閉め |
よくある誤学習|会議英語で日本人が落とすパターン

フレーズを暗記しても、本番で違和感を与えるケースの多くは、語法レベルの誤学習に起因します。次の5つは、TOEIC700帯のビジネスパーソンに特に多いパターンです。
1. discuss about は不要
× Let’s discuss about the budget. ○ Let’s discuss the budget.
discuss は他動詞のため、about は不要です。日本語の「〜について議論する」を直訳すると about を付けてしまいますが、文法的に誤りです。同様に approach, contact, mention, address も about / to を取りません。
2. opinion と thoughts の使い分け
「ご意見は?」を訳すとき、What is your opinion? と直訳しがちですが、ややフォーマルで重い印象を与えます。日常的な会議では What are your thoughts? や What do you think? が自然です。opinion は「立場を明確にした意見」のニュアンスがあるため、議論が固まった局面で使います。
3. I think の連発は弱く響く
I think を発言の冒頭に毎回付けると、自信のない印象を与えます。Kankaanranta & Planken (2010) の BELF 研究では、国際ビジネス英語では「主張の明確さ」が成功要因と報告されています。I think を外して In my view / From my perspective / We should に置き換えると、進行役の発言として安定します。
4. Pardon? の連発はNG
Pardon? は1回ならフォーマルで問題ありませんが、繰り返すと相手も何度同じことを言えばよいか分からず、会話が止まります。前述の通り、「何が聞き取れなかったか」を伝える型(Sorry, I missed the part about…)に置き換えるほうが圧倒的に機能します。
5. Maybe の多用は決定を弱める
Maybe we should go with option A. のように決定文に maybe を入れると、進行役としての意思が伝わりません。確信が低いときは I’d lean toward / I’m inclined to のような hedging を使うと、控えめさを保ちつつも判断は示せます。
まとめ
英語会議の進行フレーズの本質は、次の3点に整理できます。
- 進行は「7場面 × 機能別フレーズ」で分解できる構造的タスクである
- フレーズは数より「場面 × 丁寧度3軸」で揃えるほうが本番の即応性が高い
- 暗記対象は単語ではなくチャンク(formulaic sequence)であり、Wray (2002) が指摘するように一塊で記憶することで処理速度が上がる
会議で固まる状態は、英語力の限界ではなく、「自分が詰まる場面」と「持っていない型」が言語化できていないことに起因します。本記事の7場面に照らして、自分がどの場面のチャンクを持っていないかを把握することから始めてください。
次のステップとしては、各場面から自分が「明日使えそう」と感じる3〜5句を選び、口頭で5回ずつ繰り返して即応可能な状態に持っていくことを推奨します。Kormos (2006) の発話生成モデルでは、formulator 段階(語彙化と統語化)がボトルネックになると指摘されています。チャンクとして口に出る状態まで持っていけば、本番で「考えてから話す」プロセスを飛ばせます。
自分の会議英語のボトルネックを言語化したい方へ
「フレーズは知っているのに本番で出てこない」状態は、知識量の問題ではなく、能力分解と訓練設計の問題です。
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明日の会議が不安、英語の司会を任されることが増えてきた、いずれかの状態にある方は、診断を受けることで次に何を鍛えるべきかが明確になります。
[無料カウンセリングを申し込む]FAQ
Q. 英語会議の進行フレーズは何個くらい覚えればよいですか。
A. 7場面 × 各場面5〜10句 = 約50〜70句を即応可能な状態で持つのが目安です。総数より「場面ごとに最低3句」を持つことが優先順位として上です。1場面0句があると、その場面で必ず固まります。
Q. フレーズを丸暗記しても本番で出てきません。どうすればよいですか。
A. 黙読での記憶は本番で機能しません。Kormos (2006) の発話生成モデルでは、音韻化(articulator 段階)まで通したフレーズだけが即応可能になります。各フレーズを口頭で5回以上繰り返し、「考えなくても口から出る」状態を作ってください。
Q. オンライン会議特有のフレーズはありますか。
A. あります。You’re on mute. / You’re breaking up. / Could you share your screen? / Can everyone see my screen? / I’ll drop the link in the chat. の5句は、対面会議では使わず、オンライン会議で頻出します。本記事の各場面に組み込み済みです。
Q. 司会と参加者では、覚えるべきフレーズは違いますか。
A. 重なる部分が大半ですが、司会は「議題提示・議長交代・タイム管理・脱線処理・合意確認」の比重が高く、参加者は「意見表明・同意反対・質問・聞き返し」の比重が高くなります。自分の役割に応じて、どの場面を厚めにストックするかを調整してください。
Q. ネイティブ並みの自然さは必要ですか。
A. 不要です。Kankaanranta & Planken (2010) は、国際ビジネスの英語環境(BELF)では「文法的な正確さや native-likeness より、内容の明瞭さと会議ジャンルの慣習遵守」が成功要因だと結論づけています。進行フレーズは「型を守る」ことが優先で、ネイティブらしさは追わなくて構いません。
Q. フレーズ集を覚えれば英語の会議は問題なく進行できますか。
A. 進行フレーズの暗記は「必要条件」ですが「十分条件」ではありません。場面に応じた即時の選択判断、相手の反応の理解、議論の論理展開といった上位スキルは別途必要です。ただし、フレーズの即応ストックがないと上位スキルは動かないため、本記事の7場面を最優先で固めることを推奨します。
関連記事
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参考情報・出典
- Wray, A. (2002). Formulaic Language and the Lexicon. Cambridge University Press.
- Schmitt, N. (Ed.). (2004). Formulaic Sequences: Acquisition, Processing and Use. John Benjamins.
- Boers, F., Eyckmans, J., Kappel, J., Stengers, H., & Demecheleer, M. (2006). Formulaic sequences and perceived oral proficiency: Putting a Lexical Approach to the test. Language Teaching Research, 10(3), 245–261.
- Handford, M. (2010). The Language of Business Meetings. Cambridge University Press.
- Koester, A. (2010). Workplace Discourse. Continuum.
- Kankaanranta, A., & Planken, B. (2010). BELF competence as business knowledge of internationally operating business professionals. Journal of Business Communication, 47(4), 380–407.
- Bardovi-Harlig, K. (2013). Developing L2 pragmatics. Language Learning, 63(Suppl. 1), 68–86.
- Kormos, J. (2006). Speech Production and Second Language Acquisition. Lawrence Erlbaum.
- Brown, P., & Levinson, S. C. (1987). Politeness: Some Universals in Language Usage. Cambridge University Press.
- Skehan, P. (1998). A Cognitive Approach to Language Learning. Oxford University Press.
- ベルリッツ「英語会議で使えるフレーズ集!進行から発表まで音声付き」 https://www.berlitz.com/ja-jp/blog/meeting
- Best Teacher「英会議完全ガイド:フレーズ50選と失敗しない進行のコツ」 https://www.best-teacher-inc.com/blog/biz-english-meeting-phrases
- Handford, M. (2010) を含む CANBEC コーパス研究