英語コーチング事業者が正直に書く選び方|広告費の真実と、投資に見合うリターンを取りに行く考え方
英語コーチング事業者の代表として、「英語コーチングの選び方」を正直に書きます。
事業者としてのバイアスがかかる部分があるため、今回はあえて弊社のサービス内容については伏せます。当然、弊社を選んでいただければ嬉しい。ただ、それ以上に、日本人英語学習者の英語力が伸び、グローバル社会で外貨を稼げる人材が増えていかなければ、日本経済の成長はないと考えています。
最終的な選択肢が弊社でなくても、独学でも、オンライン英会話でも構いません。英語というツールを身につけ、世界でしっかり戦える状態になっていただければ、それが私たちにとっても本望です。
本記事のゴールは、カウンセリング時に「この質問をすれば、自分に本当に合ったサービスが見つかる」状態をつくること。あわせて、業界の広告費構造とリターン視点も共有します。
コーチングが本当に自分に必要かを確認したい方は、英語コーチング・独学・オンライン英会話・留学の比較もあわせてご覧ください。
事業者として正直に書く理由──業界全体の共通認識
自社の宣伝記事ではありません。各社にはそれぞれ特色があり、合う・合わないがあります。本記事は「失敗しないための評価軸」を整理する記事として書きます。
自社サービスの内容は意図的に伏せる
事業者として書く以上、自社を勧めたいバイアスは入ります。それを避けるため、本記事では弊社の指導内容・価格・カリキュラムには一切触れません。
「自社が一番」ではなく、「こう選べば失敗しない」という立場で書きます。
業界全体を盛り上げたいという共通認識
同じ英語コーチング業界の事業者や各社代表の方々と話していても、皆さん「業界全体を盛り上げていきたい」という共通認識を持っています。
各社にそれぞれ特色がある——つまり、合う・合わないがあるということです。本記事の目的は、読者が「自分に合ったサービス」を自分で見極められる状態にすることです。
なぜ英語コーチングはこれだけ高額なのか──業界の広告費構造
英語コーチングが高額な理由は、コーチ工数だけではありません。業界全体が膨大な広告費を投下しているという構造的な背景があります。受講料の一部は、その広告費の回収に使われています。
上場企業のIRから読み解く業界の構造
英語学習関連の上場企業のIR情報を見ると、業界の構造が見えてきます。代表的な2社の最新の数値を比較してみましょう。
| 会社 | 事業 | 売上高 | 営業利益率 | 上場市場 |
|---|---|---|---|---|
| 株式会社プログリット(9560) | 英語コーチング専業 | 約57.5億円(2025年8月期) | 約21% | 東証グロース |
| 株式会社レアジョブ(6096) | オンライン英会話 | 約97.2億円(2025年3月期) | 約4.5% | 東証スタンダード |
レアジョブは広告宣伝費に約5.0億円(同期)を投下しています。プログリットの販管費率は約53%(売上の半分以上が販売費・一般管理費)であり、その内訳のかなりの部分が広告宣伝費と推定されます。
両社の数値から見えるのは、英語学習業界全体が認知獲得のための広告投資が大きいという共通点です。テレビCM・YouTube・タクシー広告・SNS広告——これらの認知投資が継続的に行われています。
コーチング業界とオンライン英会話業界の利益構造の違い
注目すべきは、営業利益率の差です。
- 英語コーチング(プログリット):約21%
- オンライン英会話(レアジョブ):約4.5%
オンライン英会話は単価が低い分、薄利多売の構造になります。一方、コーチングは単価が高く、マンツーマン設計のため利益率が確保されやすい構造です。
これは特定の会社を批判する話ではありません。「成長する英語学習企業ほど広告投資の比率が高くなる」「単価の高いコーチングは利益率も高い」というのが業界の構造です。
高額な料金には「広告費の回収」が含まれる
マンツーマン指導・コーチ工数・教材開発などの直接コストに加え、広告費・施設維持費が受講料に上乗せされています。
これ自体は悪いことではありません。広告投資があるからこそ業界が認知され、受講者が増え、サービスが磨かれる側面もあります。
ただし、受講者として知っておくべきは、「あなたが払う料金の一部は、認知獲得コスト(広告費)の回収に使われている」という事実です。
個人運営や小規模スクールとの価格差の理由
個人運営のスクールは、広告費・施設費を持たないため、同程度のコーチ工数でも価格が安いケースが多くあります。一方で、講師の専門性や設計の質にはばらつきがあるのが実情です。
「広告で見たから良いサービス」「安いから怪しい」という単純な判断は、どちらも誤りです。 本質的な評価軸(後述)で各社を見極める必要があります。

投資に見合うリターン──「なんとなく喋れる」では損をする
数十万円の投資に見合うリターンを取りに行くなら、ゴールを「なんとなく喋れる」に置いてはいけません。実務で使える英語力・キャリア上のリターンまで設計に組み込む必要があります。
英語力と年収の相関データ
TOEICスコアと年収には、明確な相関があることが各種調査で分かっています。
dodaの調査によると、TOEIC 800点台の平均年収は約487万円、900点台は約534万円。スコアなしの方と比較すると、800点以上で年収約100万円、900点以上で約150万円の差が出ています。
499点以下と900点以上の年収差は、年代別に見るとさらに広がります。
| 年代 | 499点以下と900点以上の年収差 |
|---|---|
| 20代 | 約125万円 |
| 30代 | 約190万円 |
| 40代 | 約260万円 |
| 50代 | 約360万円 |
英語力は「キャリアの複利」として効いてきます。 早い段階で投資する意味が、ここにあります。
「なんとなく喋れる」のもったいなさ
30万円・3〜6ヶ月をかけて、ゴールが「なんとなく喋れるようになった」では、投資に見合いません。
「なんとなく」では、次のような実務シーンで止まります。
- 実務の会議で発言が通らない
- 海外との商談で論点を主導できない
- 昇進・転職の評価指標として測定されない
時間とお金の投資は、実務で機能するレベルまで届かないと回収できません。
投資に見合うリターンを取りに行く視点
カウンセリング時に、自分に問うべき質問があります。
- 3ヶ月後、英語で何ができるようになっていれば、この投資は正解だったと言えるか
- そのレベルに達するために、このサービスは具体的に何を提供してくれるのか
- 達成は何で確認できるのか
「自信がつきそう」「楽しく話せそう」という感覚的な目標ではなく、実務シーンと数値で測れるゴールを持つこと。リターンを取りに行く覚悟がない投資は、コーチングであれ独学であれ、結果的にもったいない使い方になります。
英語学習の成果を決める2つの要素
英語学習の成果は、大きく分けると「学習習慣の形成」と「学習内容の質」の2つで決まります。コーチングを選ぶときは、この2軸で各社を見ればよいということです。
「どれだけ学習時間を確保できたか」と「何をどう学習したか」
- 学習習慣の形成:仕事をしながら毎日1.5〜3時間の学習を継続できるか
- 学習内容の質:その時間で何をどの順序でどのように学習するか
どちらが欠けても結果は出ません。両方をどう設計しているかで、サービスの質が決まります。
コーチングを選ぶときの2軸
- 評価軸①:学習習慣の形成(モチベーション維持・フォローアップ)→ 次章で詳述
- 評価軸②:学習内容の質(レッスンタイプ・学習設計)→ その次の章で詳述
加えて、補助的な評価軸として「指導設計の透明性・測定方法・出口設計・継続設計」があります。これも後ほど解説します。

評価軸①学習習慣の形成──Push型かPull型か、頻度はどうか
学習習慣の形成のサポート方法は、サービスによって大きく違います。自分のタイプに合うかどうかで、成果が変わります。
Push型サービスとPull型サービスの違い
サービスの形式は、大きく2つに分けられます。
Push型:コーチから毎日プッシュ型で連絡が来る形式(業界最大手の会社さんなど)
- メリット:強制力が働き、学習習慣がない人でも継続しやすい
- デメリット:コーチの工数が大きく、サービス価格に反映される
Pull型:受講生が提出した課題に対して、コーチが壁打ち・フィードバックを行う形式
- メリット:自走力のある人にとっては効率的
- デメリット:自己管理が苦手な人は学習が滞りやすい
どちらが優れているという話ではありません。自分のタイプに合うかどうかです。
自分のタイプを見極める
「自分は少しサボりがちなので、お尻を叩いてほしい」という方は、Push型・コーチと頻繁にやり取りできるサービスを選ぶとよいでしょう。
「自走できるが、設計と方向性の確認をしてほしい」という方は、Pull型に近いサービスが合います。
仕事をしながら毎日1.5〜3時間の学習は、語学学習や学習習慣がまだ身についていない人にとって本当に大変なものです。そのため、学習のモチベーターとしてコーチの存在が必要になるのは自然なことだと考えています。
ただし、その分コーチの工数もかかりますので、サービス価格にも反映されます。
カウンセリングで聞くべき質問(学習習慣編)
サボってしまいがちな方や、学習継続に不安がある方は、カウンセリング時に次のように聞いてみてください。
「仮に課題提出や学習が2日間できなかった場合、コーチからのフォローアップはどのような形で行われますか?」
会社によっては、メールで軽くフォローアップする程度の場合もあります。一方で、1日でも学習報告がなければ、コーチからLINEなどで積極的に連絡が来るサービスもあります。
どちらが「正解」ということはありません。自分が必要とする密度のフォローを提供しているかどうかを確認することが大切です。
評価軸②レッスン内容の3タイプと初級者の罠
コーチングのレッスンは、大きく3タイプに分かれます。タイプの違いを理解しないまま選ぶと、自分のレベルに合わない学習に時間を費やすことになります。
レッスンの3タイプ
| タイプ | 内容 | 特徴 |
|---|---|---|
| ①オンライン英会話型 | 他社のオンライン英会話サービスなどを組み合わせて行う | アウトプット量を増やせる。設計はコーチ側で組む |
| ②ネイティブ講師型 | ネイティブ講師による英会話レッスン | 自然な英語に触れられる。指導の専門性は講師による |
| ③専門トレーニング型 | 発音・音声変化・意見の出し方などの専門スキルを学ぶ | 体系的な力をつけられる。トレーナーの専門性が問われる |
多くのサービスは①〜③を組み合わせています。重要なのは比率です。カウンセリング時に「具体的にどのようなレッスン構成になるのか」を確認するとよいでしょう。
初級者ほどアウトプットを求める罠
特に注意しておきたいのは、初級者ほどアウトプットを求めがちだという点です。
もちろんオンライン英会話にも価値はあります。ただし、十分なインプットや基礎トレーニングがない状態でアウトプットだけを増やしても、伸び悩んでしまうことがあります。
「3年間オンライン英会話を続けたが変わらない」という方の多くは、基礎が固まっていない段階でアウトプットに偏ったケースです。
初級〜中級者が選ぶべきタイプ
そのため、特に初級者の方は、いきなりオンライン英会話で話す量を増やすよりも、発音・文法・瞬発力・表現の型などを体系的に身につけるトレーニング形式のサービスを選ぶとよいでしょう。
基礎が固まった段階(CEFR B1〜B2以上)で、初めてアウトプット型のレッスンが効率的に機能します。自分の現在地に合うレッスン構成かどうかを、カウンセリング時に確認してください。
カウンセリングで聞くべき質問(レッスン内容編)
「私のレベルでは、レッスンは①オンライン英会話型・②ネイティブ講師型・③専門トレーニング型の比率はどのくらいになりますか?その理由を教えてください」
「人によって異なります」という抽象的な答えしか返ってこない場合、設計の解像度が低い可能性があります。「あなたの現状から考えると、最初の1ヶ月は③のトレーニングを中心にします。理由は〜」と具体的に答えられるサービスは、設計力が高いと判断できます。
補助的な評価軸──指導設計・測定・出口・継続
上の2軸に加えて、補助的に確認すべき4つの軸があります。これらは「業界として最低限あってほしい」基準です。
指導設計の透明性
「独自カリキュラム」「体系的な学習」という抽象的な説明だけでは、判断ができません。
カウンセリング時に「私のレベルと目標に対して、最初の1ヶ月で何をどの順序で行いますか?」と聞いてみてください。スキャフォールディング(学習者のレベルに合わせた段階的な足場設計)が組まれているサービスは、この質問に具体的に答えられます。
効果の測定方法
フィーリングで「上達した気がする」は、判断基準になりません。
測定手段の例として、VERSANTスコア・TOEIC・GSEレベル・録音評価の前後比較などがあります。数値で測れる指標があるサービスは、進捗の確認と軌道修正ができます。
受講後の出口設計
「英語力が上がります」「自信がつきます」だけでは、出口設計とは呼べません。
出口設計の例:「3ヶ月後にVERSANTスコア○○点」「会議で自分の意見を英語で発言できる状態」。出口が明確なコーチングは、学習設計の具体性も高いものです。
キャンセルポリシー・継続設計
社会人は出張・繁忙期・体調不良で予定変更が起きます。振替制度・休止制度・解約条件は、続けやすさの指標です。
「縛り」が強いサービスほど、受講者の継続率より契約維持率を重視している可能性があります。
避けるべきコーチングのパターン
評価軸の裏返しとして、「こういうコーチングは避けた方がいい」というパターンを示します。
避けたほうがいい6つのサイン
| パターン | リスク |
|---|---|
| カウンセリングで「あなたに合ったプランを作ります」しか具体的に説明しない | 設計の実態が不明 |
| 担当コーチが頻繁に変わる仕組みが標準 | 学習の継続性が担保されない |
| 効果の測定方法を聞いても明確な答えがない | 効果の確認ができない |
| 受講後の出口設計が「英語力向上」など抽象的 | 達成基準がない |
| 初回カウンセリングが実質的に営業トークで終わる | 受講者の課題より契約率を優先 |
| 解約条件が複雑・違約金が高額 | 続けやすさより契約維持を重視 |
良いコーチングは、具体的な質問に対して具体的に答えられます。
カウンセリングで聞くべき質問リスト
本記事の核は、カウンセリング時に持っていく質問リストです。これをそのままコピーして、複数社のカウンセリングで使ってみてください。
そのまま使える質問リスト
【投資判断系(最重要)】
- 3ヶ月後、私はどんな状態になっていますか?それは何で確認できますか?
- そのゴール達成は、私のキャリアや実務にどう活きますか?
【学習習慣・フォローアップ系】
- 仮に課題提出や学習が2日間できなかった場合、コーチからのフォローアップはどのような形で行われますか?
- セッション間の自主学習は、どう設計・確認されますか?
【レッスン内容系】
- 私のレベルでは、レッスンは①オンライン英会話型・②ネイティブ講師型・③専門トレーニング型の比率はどうなりますか?その理由を教えてください
【指導設計系】
- 私のレベルと目標に対して、最初の1ヶ月で何をどの順序で行いますか?
【測定系】
- 効果は何で測定しますか?数値で確認できる指標はありますか?
【継続設計系】
- 振替・休止・解約条件を教えてください
質問への答え方で「設計力」が見える
良いサービスは、これらの質問にすべて具体的に答えられます。抽象的な答えしか返ってこない場合、設計の解像度が低い可能性があります。
質問への回答の具体性は、そのまま指導の具体性につながります。

まとめ
英語コーチングの高額な料金には、業界全体の広告費構造が反映されています。価格そのものより、その中身を見極めることが先です。そして、数十万円を投じるなら、ゴールを「なんとなく喋れる」に置かず、実務での成果やキャリア上のリターンまで設計に組み込む必要があります。
成果を分けるのは、結局のところ「学習習慣の形成」と「学習内容の質」の2つです。この2軸で各社を見て、カウンセリングで具体的な質問をぶつければ、自分に合うサービスかどうかは自分で見極められます。
本記事でご紹介した質問は、そのままどの英語コーチング会社のカウンセリングでも使えます。各社のカウンセリングを受け、納得のいくサービスを選んでください。もし弊社のカウンセリングをご検討いただける場合は、👉 LINE登録からお問い合わせください。これらの質問すべてに正直にお答えします。
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