旧形式VERSANTスピーキングテストの最初のパート、Pat A 音読(Reading)の模試を用意しました。本記事の模試と、音声見本をご利用いただき、学習にお役立て頂ければ幸いです。
模擬テストから始めたい方は、こちらをクリックしてください。
2024年3月以降に発売されたVersant新形式の対策は以下のページをご覧ください。
Part A 音読 / Reading 概要
スクリーンに表示された英文を音声の指示(e.g., “Now, please read sentence 7.”)に従って、音読するパートです。
問題数:8文
評価項目:発音、流暢さ
サンプル問題:
- Larry’s next door neighbours are awful.
- They play loud music all night when he’s trying to sleep.
- If he tells them to stop, they just turn it up louder.
- He wants to move out of that neighbourhood.
テスト制作団体PersonのValidationレポートには、音読から始める理由を「音読は多くの学習者にとって馴染みがあるタスクであり、心地よい導入として使える」と書かれています。
出典 : Versant™ English Test - Test Description and Validation Summary
発音のコツ
発音のコツは、ダラーっと音をつなげるイメージで読むことです。
発音の明瞭さを意識しすぎると、各単語が同じ長さ、強さで読まれ「アイ・ハヴァ・ペン」のような不自然な英語となります。
下記は極端な例ですが、単語は区切らず、流れるように話すことを心がけましょう。
チャンクの区切り
いくつかの単語でできた意味の固まりを「チャンク」と呼び、息継ぎをする際はチャンクですると良いでしょう。
例えば、こちらの例文。
あなたは、どこで区切りますか?
They play loud music all night when he’s trying to sleep.
次のように区切れていれば、自然に聞こえるでしょう。
①They play loud music all night (彼らは大音量で音楽を一晩中かけている)
②when he’s trying to sleep. (彼が眠ろうとしている時)
チャンクの幅は、英語力が上がるにつれ、どんどん広がっていきます。
VERSANTでは、5単語以上のチャンクを自然に読める能力が評価項目になっている可能性が高いため、PART Aでは次を区切りの目安としてください。
- 接続詞の前(after, because, since, if, whenなど)
- 関係代名詞・関係副詞の前 (when, whichなど)
- カンマ(,)、セミコロン(;)、コロン(:)、ダッシュ(―)の後
受験時のポイント
日本人の苦手な箇所と、VERSANTの採点システムを考慮し、受験時には次の3つを意識して受験すると良いでしょう。
①チャンク > ストレス > 発音の優先順位を意識して音読
音素単位の正しい発音は、一朝一夕では身につきません。
また、細かな発音を気にしすぎるあまり、流暢性が欠けてしまうこともあります。
よって、まずはチャンクを意識し、自然な速度での発話を心がけると良いでしょう。
そして、意識しないと日本人の英語はフラットになりがちなので、「名詞・動詞だけは大きく、長めに発音する」などの最低限のルールをもうけて、音読しましょう。
②つまっても「あー」「えっと」等のフィラーを入れない
言葉がつまった時の”Ah” ”Well…” ”えっと・・・”などを、フィラーと呼びます。
このフィラーの挿入で減点になるとの記載は公式サイト、Validationレポート共に見当たりませんが、機械判定という観点から可能な限り避けた方がよいでしょう。
③Sentence 1は採点の対象外。先読みに努める。
青くハイライトされている問題は自動採点の対象外
Part A.音読〜Part D.文の構築の各1問目は採点の対象外です。
そして、音声指示が約3秒、次の問題までの時間約11秒の計14秒を利用し、Sentence 2~8の区切り位置(カンマ、接続詞など)を確認し、余裕があればSentence 2以降で苦手な文を一度でも口にだしてみると良いでしょう。
VERSANT Part A /音読 模擬テスト
上記のコツを意識した上で、模試に挑戦しましょう。
模擬テスト見本音声
模試では上手に発音できましたか?
ただ練習するだけで終わらずに、VERSANT満点講師による、見本音声を用いて以下の練習に取りくみましょう。
- 解説を確認し、音声変化とリズムを意識しながらオーバーラッピング 5回/1文
- 文章の意味を意識しながら、シャドーイング 5回/1文
オーバーラッピング:音声を再生し、音声と同じリズム、イントネーションで音読すること。
シャドーイング:文章の意味を考えながら、音声の1,2秒後を影のようについて音読すること。
No.1
音声変化
・リンキング:There’s + a
・リンキング:who + is
[ oʊ: / u: ]の後に母音が続く場合は、間に「w」を挿入して、who/huː/ + (w) + is/ɪz/ のようにつなげます。
No.2
音声変化
・なし
No.4
リンキング、脱落などの音声変化はありませんが、beenを「ビーン」と発音せず、弱形の「ビン/bɪn/」を使うのがポイントです。
No.3
音声変化
・リンキング:go + on
No.1同様、間に「w」を入れ、「ゴゥウォン/ɡoʊwɔn/」のように読むと滑らかです。
また、this/ðɪs/のth/ð/が「d」になってしまいがちなので、舌先を上の前歯の舌先にあて、離しながら、喉を震わし息を吐き、/ð/の音をしっかり出せるように練習しましょう。
音声変化
・リンキング:tired + of
・リンキング:staying + an + extra
・リンキング:hours + at
3語以上のリンキングであっても、難しいことはありません。
「STAYing + an EXtra」大文字の音節のみを意識して発音し、その他の部分はあいまいにサラッとつなげてみましょう。
No.5
音声変化
・脱落:childhoo(d) days
・ラ行化:delighted
・脱落:househol(d)
母音に挟まれた子音「T」が、LとDの中間のような音になる現象、ラ行化。
delighTedは、一見、「t」の左側は「gh」なのでラ行化が起きないようにも思えますが、発音記号で書くと/dɪ・láɪtɪd/。
母音に挟まれた「t」であり、アメリカンアクセントでは頻繁にラ行化が発生します。
No.6
音声変化
・脱落:gran(d)mother
・リンキング:hang + a
・脱落:ou(t)
・脱落:behin(d)
be・hind/bɪ・háɪnd/は、このスピーカーのように、「ビ/bɪ/」と発音するのが辞書にのった正しい発音ですが、第一音節のbe/bɪ/には強勢がおかれないため、/ɪ/が、あいまい化して/bə-/になり、「バハイン」と読まれることもよくあります。
No.7
音声変化
・リンキング:up + until
・リンキング:smell + of
・脱落:sun-dri(ed)
dry/draɪ/のように、「d」の後に「r」が続く場合、/d/が/dʒ/に近い音に変化します。
「ドライ」ではなく、「ヂョラィ」のようなイメージで読みましょう。
余談ですが、/dʒ/この現象は/r/の舌の位置がのどの奥の方のため、/d/の舌の位置が後ろにずれ、/dʒ/の位置に移動するため起こります。
No.8
音声変化
・リンキング:me + of
・リンキング:puTTing + our
・リンキング:clothing + away
後半の「puTTing + our clothing + away」を日本語に当てはまると「プリンナ・クロズィンナウェイ」に近い音になります。
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自習課題、フィードバックの粒度が違う
音読課題に対する、日本人コーチのフィードバックは細かな音素(母音・子音)のエラーも見逃しません。
例として、次の音声とフィードバックをご確認ください。
○音読課題 – I thought you contacted the marketer this morning.
○フィードバック
“markeTer”のラ行化、とても上手にできておりますね。
全体的に素晴らしいリズムで発話できておりますが、以下の点が改善されると更にネイティブに近づきます。
– con・tacted/ˈkɑnˌtæktɪd/
第1音節の母音が/ə/で発話されていたので、/ɑ/で発話しましょう。
また、ストレスが第2音節に乗っていましたが、正しくは第1音節のcon/ˈkɑn/となります。
– this/ðɪs/
有声音TH/ð/が/d/のように聞こえるため、少し長く、喉をしっかりと震わせて音を出しましょう。
このようなフィードバックが12週間のプログラム期間中、ゆうに1,000例文を超えます。
発音記号は外国人講師とのレッスンを通じて、習得するため能力・知識ともに大きく技能が上がります。
3ヶ月で流暢さ22点向上した、Hasegawa様の体験談。
他社コーチングを1年経験されたHasegawa様、The Pastのメリット・デメリットを忖度ぬきでご回答いただきましたインタビューです。
多くの方にとって有益な情報となりますので、ぜひご覧ください。