IELTS Writing Task 1の書き方|グラフ・図表を説明する型と語彙
IELTS Academic の Writing Task 1 で、多くの受験者が同じところでつまずきます。表現集は覚えた。「Introduction → Overview → Body」という段落構成も知っている。それなのに、いざグラフを前にすると、どのデータを書けばいいか分からない。結局、目についた数値を上から順に並べ、答案が「数値の羅列」になって返ってくる。
先に、検索意図に答えます。Task 1 は「Introduction → Overview → Body 1 → Body 2」の4段落の型で書けます。 増減や比較を描く語彙も、場面別に整理すれば覚える量は多くありません。この記事では、その型と語彙を場面別のテンプレートとしてすべて提示します。
ただし、ここで重要なのは、型と語彙の手前にもう一つの処理がある、ということです。それは「どのデータを選び、どれを捨てるか」という読み取りの処理です。Task 1 の答案が羅列になる原因は、英語力ではなく、この処理を飛ばして書き始めることにあります。表現をいくら覚えても伸びない人は、順番が逆になっているのです。
この記事では、Task 1 を「読み取り → 概念化 → 文章化」という3段階の処理に分解し、データを選ぶ基準から、4段落の型、場面別(変化・比較・プロセス・地図)の語彙までを一本の手順でつなぎます。記事の途中には、その手順を8分で体験できるトレーニングも用意しました。
結論 ― Task 1は「読み取り→概念化→文章化」の3段階で書く
最初に結論を述べます。Task 1 の答案は、次の3段階の処理で書きます。
- 読み取り ― グラフ・図表のデータを3つの軸(最高・最低/最大の変化/例外)で選び、書かないデータを捨てる
- 概念化 ― 「全体として何が起きているか」を一言で決める。これがそのまま Overview になる
- 文章化 ― 4段落の型と場面別の語彙で、選んだデータを英文にする
表現リストの暗記から入る学習は、この順番が逆です。3番目の処理だけを鍛えて、1番目と2番目を素通りしている。だから本番でグラフを前にしたとき、覚えた表現の使いどころが決まらないのです。
手順に入る前に、試験の前提を確認しておきます。
- Academic の Task 1 は、グラフ・表・プロセス図・地図などの視覚情報を客観的に描写する問題です。150語以上・推奨20分。
- Writing の配点比重は Task 2 が Task 1 の2倍です。だから Task 1 は20分で切り上げ、Task 2 に40分を残すのが大前提になります(Task 2 エッセイの書き方は別記事で扱っています。本記事は Task 1 に特化します)。
- 採点は Task Achievement/Coherence and Cohesion/Lexical Resource/Grammatical Range and Accuracy の4基準・各25%です。Task 1 の1つ目の基準は Task Achievement(課題の達成)であり、Task 2 の Task Response とは名前も中身も異なります。
- なお General Training の Task 1 は手紙形式で、別物です。この記事は Academic を対象にします。
「4基準・各25%」という構造は、そのまま学習の指針になります。語彙(Lexical Resource)は25%にすぎません。残りの75%のうち、最も差がつく Task Achievement は「何を書いたか」=データの選択と概要の質で決まります。 表現暗記が対策の中心にならない理由は、この配点構造にあります。

なぜ表現を覚えても書けないのか ― Task 1は「要約」の問題である
なぜ読み取りと概念化が先なのか。ここを構造で説明します。
まず理解したいのは、150語という語数制限の意味です。グラフには通常、書き切れない量のデータが含まれています。つまり150語という制限は、事実上「重要なデータを選び、それ以外を捨てなさい」という指示です。Task 1 は英作文の問題である前に、要約の問題なのです。
The PAST では、要約を「選択/削除」「一般化」などのテクニックの組み合わせとして整理しています。Task 1 では、このうち2つが直接働きます。
書く前の処理① 「選択/削除」― 全部は書けない。だから選ぶ
選択/削除とは、一番重要な情報を選び、それ以外を削る処理です。8個の数値があるグラフで、8個すべてに言及することはできません。「どれが答案に値するデータか」を選ぶ基準を持っているかどうかが、書き始める前に答案の質を決めます。基準は後述する3つの軸に集約できます。
書く前の処理② 「一般化」― 個々の数値を全体傾向にまとめる
一般化とは、具体的な情報を上位の概念にまとめ上げる処理です。「Aは45%から82%に増えた。Bは38%から74%に増えた。Cも増えた」を、「すべてのグループで増加した」と一段上から言い直す。この一般化の結果が、そのまま Overview(全体概要) の段落になります。逆に言えば、一般化ができていない答案には Overview が書けません。数値を並べることしかできなくなります。
書く処理 「概念化→文章化」― 決めてから英語にする
選んで、まとめたら、初めて英語にします。The PAST はスピーキング指導で、発話の産出を「概念化(何を言うか決める)→文章化(英文に組み立てる)→音声化(声に出す)」の3ステップで捉えています。これは発話産出を段階的な処理として記述した Levelt のモデル(Levelt 1989『Speaking: From Intention to Articulation』)に準拠した整理ですが、書く場合も前半の2段は同じ形で働きます。何を書くかが決まっていないまま文章化に入ると、語彙をいくら知っていても、出てくるのは数値の羅列です。
もう一つ、日本人学習者に特有の偏りがあります。読む・聞くために必要な「受容的文法」は持っているのに、自分で文を作り出す「産出的文法」が弱い、という偏りです。表現リストを読んで「分かる」ことと、答案で「使える」ことは別の能力です。だからこの記事では、語彙を読んで終わりにしないよう、後半に産出のトレーニングを置いています。
ここまでを整理します。Task 1 の処理は「選ぶ(選択/削除)→まとめる(一般化=Overview)→書く(文章化)」の順で流れます。表現暗記は3番目の一部にすぎません。

よくある失敗3つ ― 減点は「英語力の外」で起きている
この構造を踏まえると、Task 1 の典型的な失敗が、文法や単語のミスではないことが見えてきます。
① 目についたデータを全部書き写す
最も多い失敗です。グラフの左上から順に、「Aは45%だった。Bは38%だった。Cは20%だった…」と数値をなぞっていく。一見、丁寧にデータへ言及しているように見えます。
なぜダメか。これは選択/削除が行われていない状態だからです。データを機械的に列挙した答案は、主要な特徴を選び取れていないと見なされ、Task Achievement の評価を下げると整理されています(元試験官系の対策情報で一貫して指摘されている点です)。本当に必要なのは、全データへの言及ではなく、3つの軸で選んだデータへの言及です。軸は次の章で示します。
② Overviewを書かない・代わりに結論や意見を書く
2つ目の失敗は、Overview の欠落です。導入からいきなり詳細の数値に入り、最後に「まとめ」として自分の意見や予測(この傾向は今後も続くだろう、など)を書いてしまう。
なぜダメか。まず、Task 1 は客観的な描写の問題であり、あなたの意見・推測は求められていません。次に、Task 1 に結論段落は不要です。Overview と重複する情報の繰り返しは、論理展開(Coherence and Cohesion)の面でむしろ不利に働くとされています。「結論を書こう」と教える対策情報も見かけますが、元試験官の整理では一貫して「Task 1 に Conclusion は不要、必要なのは Overview」とされています。
そして Overview には書き方があります。個々の数値を入れず、主要な特徴2〜4点を統合して書く。 数値は Body 段落の仕事です。Overview の有無と質が Task Achievement の評価を大きく分けると整理されており、4段落の中で最も重要な段落だと考えるのが自然です。
③ increaseの言い換えを増やすことに全力を注ぐ
3つ目は、学習の方向の失敗です。「increase ばかり使うと減点される」と聞いて、類語(surge, escalate, proliferate…)を増やすことに時間を注ぐ。
なぜダメか。語彙評価(Lexical Resource)の分かれ目は、難しい単語の数ではなく、言葉の組み合わせ(コロケーション)の自然さだと整理されているからです。簡単な単語を機械的に難語へ置き換える書き方は「Thesaurus Syndrome(類語辞典症候群)」と呼ばれ、かえって不自然さの原因になるとされています。rise という平易な動詞でも、rise sharply(急増する)、rise steadily(着実に増える)のように動詞+副詞の塊で正確に使えるほうが評価されます。語彙は単語ではなく、塊で覚えるものです。
The PAST式 ― 20分で書き切る4段落の手順
ここからは、3段階の処理を試験本番の20分に落とし込みます。手順は4ステップです。
Step 1|最初の5分でデータを選ぶ(まだ書き始めない)
グラフを見て、すぐに書き始めないでください。最初の5分は読み取りに使います。やることは2つです。
まず、次の3つの軸でデータに印をつけます。
- 最高・最低 ― 一番大きい値と一番小さい値はどれか
- 最大の変化・差 ― 最も大きく動いた(または最も差がある)のはどれか
- 例外 ― 全体の傾向から外れた動きをしているものはどれか
この3軸は、データをグループにまとめて書くための実務的な基準として海外の対策情報でも整理されているもので、The PAST の要約テクニックでいう「選択/削除」をそのまま手順化したものです。
次に、「全体として何が起きているか」を日本語一言で決めます(例:「全グループで増加。ただし高齢層だけ低いまま」)。これが一般化であり、Overview の核になります。ここまで決まれば、あとは型に流し込むだけです。
Step 2|Introduction ― 問題文を自分の言葉で言い換える
第1段落は1〜2文で、図表が何を示しているかを述べます。問題文の丸写しは語数に数えられないとされているため、必ず言い換え(パラフレーズ)ます。
【English】 The table shows the percentage of people in four age groups in Country X who shopped online in 2015 and 2025.
【日本語訳】 この表は、Country X の4つの年齢層について、2015年と2025年にオンラインショッピングを利用した人の割合を示している。
問題文が The table below gives information about… なら、gives information about → shows / illustrates / compares のように動詞を替え、名詞句を組み替えます。
Step 3|Overview ― 数値を入れずに全体傾向を2文で
第2段落が答案の心臓部です。Overall, で書き始め、Step 1 で決めた全体傾向を1〜2文で述べます。ルールは一つ、数値を入れないこと。
【English】 Overall, online shopping rose in every age group over the period, and younger people remained the most frequent users.
【日本語訳】 全体として、オンラインショッピングの利用はこの期間にすべての年齢層で増加し、若い層が最も頻繁な利用者であり続けた。
数値がないのに情報が濃い。これが良い Overview の形です。「増加した」という変化の方向と、「若い層が上位のまま」という構図の2点が統合されています。
Step 4|Body 1・Body 2 ― 選んだデータを数値つきで展開
Body の2段落で、初めて数値を出します。Step 1 の3軸で選んだデータを、グループごとに段落を分けて書きます。たとえば「伸びた2グループ」を Body 1、「対照的な動きの2グループ」を Body 2 に、という分け方です。個々の文は、次章の場面別テンプレに載せるだけで書けます。

場面別テンプレと語彙 ― 4つの場面で描写の型を持つ
文章化に必要な語彙を、場面別に整理します。ポイントは、単語ではなく型と塊(コロケーション)で持つことです。出題の中心である「変化」と「比較」を厚く、プロセス・地図は型の骨格を押さえます。
場面① 変化を描く(折れ線グラフ・時系列の棒グラフ)
変化の描写は「主語+増減動詞+程度の副詞+from A to B」が基本型です。
【English】 The figure for the 18–29 group rose sharply from 45% to 82%.
【日本語訳】 18〜29歳層の数値は、45%から82%へ急上昇した。
使う塊は、方向×程度のマトリクスで覚えます。
- 増加: rose sharply(急増した)/ increased steadily(着実に増加した)/ climbed gradually(緩やかに上昇した)
- 減少: fell sharply(急減した)/ declined steadily(着実に減少した)/ dropped slightly(わずかに減少した)
- 倍数: more than doubled(2倍以上になった)/ almost tripled(3倍近くになった)
- 横ばい・頂点: remained stable(横ばいだった)/ leveled off(横ばいになった)/ peaked at 82%(82%で頂点に達した)
同じ内容は名詞型「There was a sharp rise in 〜(〜に急激な増加があった)」でも書けます。動詞型と名詞型を交互に使えば、increase の連呼は自然に消えます。類語を増やすのではなく、2つの型を往復するのが正しい多様化です。
場面② 割合・比較を描く(円グラフ・表)
割合は「account for(〜を占める)」、比較は「倍数+as … as」と対比の接続が軸になります。
【English】 The 18–29 group accounted for the largest proportion of online shoppers. By contrast, the figure for people aged 65 and over stayed the lowest, at 15%.
【日本語訳】 18〜29歳層がオンラインショッピング利用者の最大の割合を占めた。対照的に、65歳以上の数値は15%と最も低いままだった。
使う塊は次のとおりです。
- 割合: account for 40% / make up the largest proportion(最大の割合を占める)
- 倍数比較: twice as high as 〜(〜の2倍の高さ)/ three times higher than 〜(〜の3倍高い)
- 対比: By contrast, / whereas / while(一方で)
- 並記: 45% and 82%, respectively(それぞれ45%と82%)
場面③ プロセスを描く(工程図)
工程図には増減がありません。使う型が変わります。軸は「受動態+順序の接続」です。
【English】 First, the beans are harvested and washed. At the next stage, they are dried in the sun. Once the drying is complete, the beans are roasted and packed.
【日本語訳】 まず、豆が収穫され、洗浄される。次の段階で、天日で乾燥される。乾燥が完了すると、豆は焙煎され、梱包される。
順序の接続(First, / At the next stage, / Once 〜, / Finally,)と受動態のセットで、どんな工程でも同じ骨格で書けます。Overview では工程全体を「全部で〜段階あり、AからBに至るプロセスである」と要約します。
場面④ 地図を描く(変化前後の地図)
地図は「位置」と「変化」の2軸で書きます。
【English】 The car park, which was located to the north of the station, was replaced by a shopping centre, and the main road was extended to the coast.
【日本語訳】 駅の北側にあった駐車場はショッピングセンターに置き換えられ、幹線道路は海岸まで延長された。
- 位置: be located / be situated to the north of 〜(〜の北側に位置する)
- 変化: be replaced by(〜に置き換えられる)/ be converted into(〜に転用される)/ be demolished(取り壊される)/ be extended(拡張される)
プロセスも地図も、初見だと手が止まりやすい形式ですが、増減語彙が使えない代わりに専用の型があると分かっていれば、4段落の手順そのものは変わりません。
記事内トレーニング ― 「選ぶ→決める→書く」を8分で体験する
ここまでの手順を、実際のデータで体験します。題材は次の小さな表です。各Practiceの冒頭に「いまどの能力を鍛えているか」を1行で示します。
Country X におけるオンラインショッピング利用率(年齢層別)
| 年齢層 | 2015年 | 2025年 |
|---|---|---|
| 18–29歳 | 45% | 82% |
| 30–49歳 | 38% | 74% |
| 50–64歳 | 20% | 48% |
| 65歳以上 | 8% | 15% |
Practice 1:書くデータを選ぶ(約2分)
鍛える能力:データの構造化 ― どの数値を書き、どれを捨てるかを判断する。
上の表を30秒眺めてください。数値は8個。150語で全部を対等に扱うことはできません。そこで、3つの問いに日本語で答えます。
- 最高(と最低)はどこか(→ 両年とも18–29歳が最高。65歳以上が最低)
- 最大の変化はどこか(→ 50–64歳。20%から48%へ、2倍以上)
- 例外はどこか(→ 65歳以上だけ、増えてはいるが低いまま)
最後に、全体を一言でまとめます。「全年齢層で増加。若い層ほど高い構図は変わらない」。ここまでが、書き始める前の5分でやる処理の縮小版です。
Practice 2:一文で描写する(約2.5分)
鍛える能力:文章化 ― 選んだデータを、増減・比較の型で1文の英語にする。
下の表についての質問を1問ずつ読み、モデル解答を見る前に、5秒以内で声に出して答えてください。まず日本語で答えの核を決め(例:「50–64が2倍超」)、場面①②の型に載せて1文にします。言い終えてからモデル解答を見て、自分の1文と照合してください。
【質問とモデル解答】 Q1: What happened to the figure for the 18–29 group between 2015 and 2025? → The figure for the 18–29 group rose sharply from 45% to 82%.(18〜29歳層の数値は45%から82%へ急上昇した)
Q2: Which group showed the biggest change? → The 50–64 group showed the most striking change, more than doubling from 20% to 48%.(最も顕著な変化は50〜64歳層で、20%から48%へ2倍以上になった)
Q3: What about people aged 65 and over? → The figure for people aged 65 and over remained the lowest, rising only slightly from 8% to 15%.(65歳以上の数値は最も低いままで、8%から15%へわずかに増えたにとどまった)
完璧な文でなくて構いません。「核を決めてから型に載せる」順番を確認してください。
Practice 3:モデル文を聞いて、止めて、口に戻す(約3.5分)
鍛える能力:語彙(コロケーション) ― 描写表現を単語ではなく塊で覚える。
まず、モデル答案の抜粋(Introduction+Overview+Body 相当・約100語)を通しで聞き、Practice 1 で自分が選んだデータと同じものが選ばれているかを確認してください。
【English】 The table shows the percentage of people in four age groups in Country X who shopped online in 2015 and 2025. Overall, online shopping rose in every age group over the period, and younger people remained the most frequent users. The 18–29 group recorded the highest figures in both years, climbing from 45% to 82%. The most striking change occurred in the 50–64 group, where the rate more than doubled, from 20% to 48%. By contrast, the figure for people aged 65 and over stayed the lowest, rising only slightly from 8% to 15%.
【日本語訳】 この表は、Country X の4つの年齢層について、2015年と2025年にオンラインショッピングを利用した人の割合を示している。 全体として、オンラインショッピングの利用はこの期間にすべての年齢層で増加し、若い層が最も頻繁な利用者であり続けた。 18〜29歳の層は両年とも最も高い数値を記録し、45%から82%に上昇した。最も顕著な変化は50〜64歳の層で起き、割合は20%から48%へと2倍以上になった。対照的に、65歳以上の数値は最も低いままで、8%から15%へわずかに上昇したにとどまった。
次に、リピート用音声でキーセンテンス4文を練習します。1文流れたら止まり、反復のためのポーズが入ります。1文聞いたら、ポーズの間にその文を正確に声に出して反復してください。音声に重ねて同時に発声はしません。「聞く→止める→言う」の順で行うことで、rose in every age group / recorded the highest figures / more than doubled / stayed the lowest という塊に注意を向けたまま練習できます。
実践例 ― 本番での時間配分と自己点検
トレーニングでやった処理を、本番の20分に配置します。
20分の配分 ― 読み取り5分/執筆13分/見直し2分
Task 1 に20分以上かけないでください。配点比重は Task 2 が2倍です。Task 1 で時間を使い切ると、配点の大きい Task 2 が崩れ、Writing 全体のスコアが落ちます。内訳は、読み取り(3軸の選択+Overview の決定)に5分、4段落の執筆に13分、見直しに2分。「最初の5分は書かない」と決めておくことが、結果的に執筆を速くします。何を書くか決まっているからです。
提出前2分の自己点検 ― 見るのは3点だけ
見直しで文法を全部チェックする時間はありません。確認するのは次の3点に絞ります。
- Task Achievement: Overview はあるか。数値は Body に置いたか。自分の意見・予測を書いていないか
- 語数: 150語以上あるか(不足は明確な減点対象です)
- コロケーション: 動詞+副詞の組み合わせが不自然な箇所はないか(難語に置き換えた箇所こそ疑う)
この3点は、採点基準の側から逆算した優先順位です。スペルの小さなミスより、Overview の欠落のほうがはるかに重い。見直しは「重いものから」確認します。
まとめ ― Task 1でできるようになったこと
最後に、この記事で何が変わったかを整理します。
読む前のあなたは、Task 1 対策を「表現を覚えること」だと考えていたかもしれません。読んだあとのあなたは、Task 1 が「読み取り(選択/削除)→概念化(一般化=Overview)→文章化(型と語彙)」という3段階の処理であり、表現はその最後の一部にすぎないと理解しているはずです。
具体的には、次の道具を持てました。
- 書くデータを選ぶ3つの軸(最高・最低/最大の変化/例外)
- 4段落の型と、20分の手順(読み取り5分→執筆13分→見直し2分)
- 数値を入れない Overview の書き方
- 場面別(変化・比較・プロセス・地図)の型と、塊で覚える語彙
Task 1 が20分で安定すると、Writing のもう一つの柱である Task 2 に、配点比重どおりの時間と集中を注げるようになります。Task 2 の設問タイプ別の書き方は、IELTSライティング Task2の書き方で扱っています。また、Writing を含めた4技能全体で 6.5 を目指す設計はIELTS 6.5に必要な実力と最短ルートを参照してください。
ただし、一つだけ独学で埋めにくい難所が残ります。自分の答案を、自分で採点できないという問題です。
あなたの答案を、採点基準の目で見てもらう
この記事の型と語彙は、独学で身につけられます。しかし、あなたが本番形式で書いた答案の「Overview が適切な一般化になっているか」「選んだデータが主要な特徴と一致しているか」「コロケーションが自然か」は、書いた本人には見えません。ライティングは産出の技能です。産出は、正しいフィードバックがないまま書き続けると、誤った形のまま定着しやすい。書けば書くほど、間違ったクセが固まっていくことさえあります。
The PAST の IELTS 指導では、無料カウンセリングで、あなたの現在地(CEFR)を診断し、目標スコアと受験日から逆算した学習設計を提案しています。Writing については、Task Achievement とコロケーションという「自分では判定できない2点」にフィードバックを入れる練習の組み方まで、構造からお伝えします。
型は、この記事で手に入りました。次に必要なのは、その型で書いた答案が採点基準の目にどう映るかを知ることです。まずは現在地の診断から始めてください。